保険業界でのエンジニアの仕事内容とは?保険DXの重要性や事例とともにご紹介

生命保険や災害保険など、様々な保険を扱う保険業界。
保険業界で活躍する職種と聞くと営業職などを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、保険業界においてもIT技術の活用によるDX化が進められている近年では、エンジニアの需要も高くあります。
そこで今回は、保険業界で活躍するエンジニア職種とその役割について、保険業界でのDXの現状や重要性とともにご紹介していきます。
目次
保険業界とは?
保険業界とは、不測の事態に備えたいという顧客に保険料を支払ってもらい、所定の事故が発生した際、保険金を支払うというサービスを提供している業界です。
保険の種類は様々あり、大きく分けて以下の3分野に分けられます。
第一分野(生命保険) | 生命保険会社のみが扱えるもので、被保険者が亡くなった場合、もしくは満期を迎えた場合に支払われる保険 |
第二分野(損害保険) | 損害保険会社のみが扱えるもので、自動車保険・火災保険など、事故による損害に応じて支払われる保険 |
第三分野(それ以外) | 医療保険やがん保険など、上記2つのいずれにも当てはまらず、どちらの会社でも扱える保険 |
保険業界における保険DXの重要性
そんな保険業界では、現在、様々なデジタル技術を活用することで業務効率化や業務課題の解決を目指すDXが注目を集めています。
少子高齢化により医療・介護等の需要が高まり、保険にも多様なニーズがある中で、顧客獲得競争が激化している保険業界では他社との差別化が課題となっています。
そんな中で、顧客のニーズにいち早く応え、他社と一線を画したサービスを提供するために、デジタル技術の活用は重要な鍵となってくるでしょう。
DXのメリット
保険業界でのDXには、様々なメリットがあります。
まずは、デジタル化による業務効率化です。
保険業界では少子高齢化による人手不足も問題となっていますが、手続きなどの煩雑な事務作業などをオンライン化し、自動で行えるようになることで業務効率を向上し、サービスの質を高めるような付加価値の高い業務へ時間を割けるようになるでしょう。
また、顧客にとっても保険DXにはメリットがあります。
オンライン上でいつでも手続きが可能になったり、AIを活用することでチャットボットによる問い合わせ対応が24時間可能になったりと、それぞれのライフスタイルに合わせて利用することができますね。
実際の保険業界のDX事例
例として、実際に保険業界で行われたDXの事例を見てみましょう。
ある保険会社では、モバイルアプリを開発し、保険商品の検索から契約・請求などの手続きをアプリ上から簡単に行えるようにしています。
こちらは顧客の利便性向上だけでなく、従業員側の業務の効率化、また資料の紛失などの人的ミスの削減にも役立っているでしょう。
また、保険金額の査定にAIを導入している企業もあります。
契約と損害の情報をデータ化したものをもとにAIが査定を行うというサービスで、従業員の作業負担なくスピーディに結果が算出できるほか、AIが査定することで客観性がより保持でき、公平な査定を行うことにもつながっているでしょう。
保険業界でのDXへの課題
顧客にも保険会社にもメリットがあるDXは各社で重要視されていますが、実は保険業界では、他の業界と比較してDXが進んでいないという現状があります。
保険会社、特に歴史の長い企業においてはすでに既存の業務システムが構築されています。
数字やお金を取り扱う保険会社では安定性が重視されるため、安定して稼働している既存のシステムから、大きなコストをかけて脱却するということに抵抗を感じる方も多いでしょう。
また、顧客の中にも、高齢化が進む現代ではデジタルサービスに慣れていない顧客が多くいます。
慣れている人にとっては便利で気軽に利用しやすいオンラインサービスなども、不慣れな方にとっては難しく、また機械的で信頼しにくいといった印象を持たれてしまうこともあるでしょう。
そういった顧客への対応の難しさなどもあり、まだまだDXが進められていない企業も多くあるのですね。
保険業界で活躍できるエンジニア・業務内容
様々な課題はありますが、保険業界でDXは今後さらに進められていくことが予測されるでしょう。
DXの推進において、欠かせないのがエンジニアの存在。
ここでは、保険業界で活躍できるエンジニア職種についてご紹介します。
システムエンジニア
まずは、保険業務に必要なあらゆるシステムの設計開発や運用保守を行うシステムエンジニアです。
顧客の管理やオンラインで契約を行うためのシステム、顧客用モバイルアプリの開発など、DXに欠かせない様々なシステムの導入には、システムエンジニアは必要不可欠でしょう。
サービス用のシステムだけでなく、勤怠や給与管理など、社内の業務システムの開発も担うことがありますね。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、その名の通りシステムなどをサイバー攻撃や情報漏洩から守るためのセキュリティ対策を行うエンジニアです。
保険会社では病歴なども含む顧客の重要な個人情報を管理することになるため、セキュリティへの高い意識は欠かせません。
DXによりデータ化することで不正アクセスなどでの漏洩リスクは高まるため、それに対応するためにセキュリティエンジニアの需要も増加していくでしょう。
セキュリティエンジニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。
(内部リンク:https://www.engineer-route.com/column/5598/)
AI・データエンジニア
AIを活用した保険金査定や顧客管理などのシステム開発は、AI(人工知能)を利用したシステム開発を行うAIエンジニアが担うことになります。
また、顧客のデータなどを分析し、新たな保険商品の開発などを行うためには、ビッグデータを活用できるデータエンジニアの存在も重宝されますね。
AIやビックデータといった先端分野のスキルは、保険業界でも十分に役立ちます。
AIエンジニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。
(内部リンク:https://www.engineer-route.com/column/10407/)
保険業界のエンジニアに求められるスキル
ご紹介したように保険会社では、様々なエンジニア職種の活躍が期待できます。
保険会社で活躍するエンジニアに興味があるという方は、求められる以下のようなスキルを身に着けておくと良いでしょう。
・プログラミングスキル(PythonやJavaScriptなど) ・データベースに関する知識 ・Webアプリ・モバイルアプリの開発経験 ・セキュリティ知識 ・コミュニケーションスキル ・問題解決能力 |
まとめ
今回の記事では、保険業界で活躍するエンジニアと求められるスキルについて、保険業界におけるIT技術の活用・保険DXの重要性や課題などとともに詳しくご紹介しました。
様々な課題により十分に進められているとは言えない保険DXですが、その重要性や注目度は高く、今後さらに推進されていくことが予測されます。
それに伴ってエンジニア需要の高まりも期待できるため、保険業界に興味があるという方は、ぜひ活躍を目指してみてはいかがでしょうか?