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AI(人工知能)ができること・できないこと|活用事例も紹介!

AI技術の進展は、2010年代に入ってからどんどん加速しています。

AI(人工知能)には日本でも大きな期待が寄せられています。しかし、実際にはAIがどんなことができるのか、いまいちわからない…という方も少なくありません。

AIは、我々が日々当たり前のように使っているものもありますが、実に広範囲の分野で使われているのです。

そこで今回は、AIが得意なことや不得意なことをしっかり解説していきます。AIの得意分野や不得意分野を知ることで、AIは何ができるのかが自然に理解できるでしょう。

AIについてしっかり知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

そもそもAI(人工知能)とは?

AI(人工知能)とは、Artificial Intelligenceの頭文字を取った言葉です。

「人工知能」という言葉が意味する通り、人間の脳が普段行っているような思考や学習、認識、予測などの活動を、コンピューターを使用して再現するシステムのことを指しています。

例えば、画像や音声の認識、言語の理解、データからの予測などといった様々な働きをするシステムですね。

AIの種類

AIには、「汎用型」と「特化型」の2種類があります。

それぞれどのようなものなのかご紹介していきます。

◯汎用型AI

汎用型AIは、「人の心を持つAI」とも呼ばれており、人間のように自意識を持って柔軟な判断や行動ができるAIです。

より人間に近いもので、タスクや課題を自ら理解して様々な状況に応じた行動ができる汎用的なAIのことを指していますが、汎用型AIはまだ実現していない未知の技術です。

まだ開発には技術的にも倫理的にも様々な課題がありますが、実現すればあらゆる業界に革新的な変化を起こすことが予想できますね。

◯特化型AI

特化型AIは、名前にもあるように特定の役割に特化したAIです。

例えば自動運転や音声認識など、現在様々な分野で活用されているAIはすべてこの特化型AIに当てはまります。

汎用型AIとは異なり、特定の処理は行えますが想定外の事象に対して自ら考えて対応するということはできません

そのため、「弱いAI」などと呼ばれてしまうこともあります。

AIのしくみ

人間の脳で行われるような処理を行うシステムであるAIは、学習した膨大なデータとそこから得たアルゴリズムから予測や必要な処理を判断しています。

そんなAIのシステムは、2つのしくみによって成り立ちます。

◯機械学習

機械学習は、様々なデータを与え、それをもとにパターンやルールを学習させる技術です。

正しいデータを与えながら正解を学習させる「教師あり学習」、正解を与えず、自ら分析してデータをグループ分けする技術を学ぶ「教師なし学習」、学習の内容をAI自身が改善しながら強化する「強化学習」などの学習方法の中から、そのAIの役割や処理する情報によって最適な方法が選ばれます。

◯深層学習(ディープラーニング)

機械学習の中でも、ニューラルネットワークと呼ばれる人間の神経細胞をモデルにしたアルゴリズムを活用した学習手法を深層学習(ディープラーニング)と呼びます。

ディープラーニングにより、画像や音声など人間が扱いにくいデータを事前準備も少なく活用できるようになりました。

AIが得意なこと5選

AIは大量の単純作業を正確にこなすコンピューターを上回り、さまざまな分野でその識別能力を高めていっています。

AIが得意なことには、

  • 画像の認識・解析
  • 音声の認識・解析
  • 自然言語の処理
  • 数値や過去のデータからの推論・予測
  • 厳格なルールに則った作業・判定
  • 大量のデータの処理
  • 単純な処理の作業スピードの速さ

など、様々な処理があります。

中でも代表的なものを5つ、詳しくご紹介しましょう。

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画像認識

ディープラーニングによりテキストベースでないデータも高精度で解析可能なAIは、画像を認識し、解析や判断を行うことができます。

例えば画像から年齢や性別を判断したり、映像内での人通りをカウントしたり、画像から文字を認識して帳簿をデータ化したりといったことが可能になります。

音声認識

視覚的な処理だけでなく、音声認識もAIができることの1つです。

音声を認識しその波形をデータと照らし合わせることで、文字として起こすことができます。

また文字に変換するだけでなく、その声を識別することも可能です。

自然言語処理

人間が普段話している自然言語をコンピューターが理解できるように処理する自然言語処理もできます。

Webの検索エンジンや文字の変換・機械翻訳などに利用されており、音声認識と組み合わせて活用することで音声入力システムやスマートスピーカーの技術も可能にしています。

数値の推論・予測

AIは、「来週末、アイスクリームがいくつ売れるのか」「二週間後、この銘柄の株価はいくらか」といった予測も得意です。

過去のデータから数値の予測を導き出すことはAIが生まれる前から統計で行われていますが、そもそもAIはこの統計モデルがベースとなっています。

統計ツールで予測するよりも大量のデータを使用して精度を高めており、リアルタイムに近い処理スピードで実行することが可能です。

ルールに則った作業・判定

Google Deepmindにより開発された「アルファ碁」が人類最強と言われているプロ棋士に勝利しているなど、ゲーム分野でAIが活躍しているのは、どのような状態であれば勝てるのか、厳格に定められたルールに乗っ取った処理を得意とするためです。

また、AIは大量のデータを正確に処理することも得意であるため、事実やルールのみを客観的に判断した大量のデータ処理や作業を可能とし、様々な分野で業務効率化を実現しています。

これらの技術を活用して、通常から逸脱したパターンを発見することで異常の検知・予測といったことも可能です。

AIが苦手なこと2選

AIが苦手なことをいくつかご紹介しましたが、AIにはできないことや不得意なこともあります。

簡単に言うと、AIは学習ができない状態で、ゼロから新たなものを生み出す作業が苦手です。

ここからは、AIにできない主な2つの作業をご紹介します。

人間の気持ちを汲み取った臨機応変な対応

AIは厳格なルールに基づいた判断が可能な反面、合理的でない判断を下すのが不得意です。

人間同士のコミュニケーションの場合は、発した言葉が本来の意味とは異なった気持ちを示していることや、無音の空気の中で人の気持ちやその場の雰囲気が流れていることが多々あるでしょう。

このようなシチュエーションで相手の気持ちを考えたり、空気を読んで動いたりする人間の脳は、非常に高度な情報処理を行っています。

そんな処理をAIが行い、臨機応変に判断を下すのは、難しい課題と言えます。

ですが、SoftbankのロボットであるPepperは、既に感情認識機能が搭載されており、AIやクラウドAIにより感情を学習すると言われています。

今後は、人の脳の活動メカニズムの解明がどんどん進み、脳の中でどんな処理が行われているのかがより明確になれば、その処理をAIに再現させるスキルの検討も進んでいくでしょう。

クリエイティブ作業

AIは、人間のアーティストが行っているように、ゼロから新しい音楽や絵画などを生み出すことができません

AIがそのスキルを発揮するには、いくつもの学習の蓄積を経て、推論モデルを構築する段階が不可欠だからです。

しかし、裏を返せば、AIは学習すれば再現ができるということになります。

実際に、過去のアーティストの作品データをAIに学ばせることにより、AIがその作風を真似し、作品作りを再現することは既に可能です。

【業界別】AIの具体的な活用事例

最後に、これまで紹介したような特徴を活かして実際にAIがどのような場面で活躍しているのか、具体的な事例をいくつかご紹介します。

製造業

製造業においてもAIは活用されており、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会の発表によると、例えばロボットの販売・製造を行うメーカーでは、AIの導入により人的コストを下げることに成功したとされています。

また、基準に満たない製品を検知するといったことにもAIでの異常検知が活用されています。

医療業界

聖マリアンナ医科大学病院では看護師業務の業務改善のため、電子カルテの入力に音声入力が活用されています。

これによりエレベータの待ち時間などの隙間時間を利用し、患者のベッド横での記入など場所を選ばずに入力が可能になったため、業務時間外の労働を減少させるだけでなく、患者へのケアの充実も叶えることができました。

参考:公益社団法人日本看護協会 看護業務効率化先進事例収集・周知事業ポータルサイト(https://kango-award.jp/#business

不動産業界

不動産業界では、不動産価格の査定などにAIが活用されています。

過去の取引された物件データをもとにAIが査定額を算出するもので、企業にとっても査定業務時間の短縮につながるほか、無料サービスとしてオンラインで提供されているものもあり、手軽におおよその査定額を知ることができるユーザーにとっても便利な技術となっています。

物流業界

日本通運では、NECと業務提携を結び、AIによる業務効率化を図っています。

例えば通関に関する業務を効率化するため「関税計算書システム」が導入されています。

これは送り状などの文書をデータ化し、そのデータをもとに関税の計算や書類作成のサポート、また一覧での管理を可能とする技術です。

これにより作業負担の軽減や人材不足のカバーが可能になりました。

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まとめ

現在はAIの研究がどんどん進んでおり、AI技術を使用したいろいろなサービスの開発や業務への組み込みが可能となっています。

AIは、まるで何でもできる魔法のようなイメージを持たれていますが、こちらの記事でご紹介したように、得意なことと不得意なことがあります。

また、AIと一口に言っても、AIを構成する技術や学習・構築のための手法は実にさまざまです。その学習方法だけを見ても、機械学習や深層学習、強化学習、CNN、RNNなどがあります。

AIは現在不得意なこともありますが、今後はできるようになっていることも考えられます。そのため、今あるデータを整備しつつ、技術情報などをしっかりチェックしておくことが大切です。