建設業界のDXに欠かせないエンジニアとは?建設エンジニアと呼ばれる職種も

各業界でデジタル化やDXが進められる中で、エンジニアのニーズも増加しています。
建設業界でもエンジニア職種は多く活躍しており、特に業務に必要な様々なシステムを担うシステムエンジニアなどは高い需要があるでしょう。
そこで今回は、建設業界で活躍するエンジニアの役割・仕事内容や、「建設エンジニア」と呼ばれる職種についてもご紹介していきます。
エンジニアとして転職等を考えており、様々な業界について知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
建設業界とは?
建設業界とは、その名の通り様々な建物や、道路や橋といったインフラなどの建設に携わる業界のことを指します。
住宅やビルなどの建築物を担う建築分野と道路や鉄道、橋などのインフラの建設を担う土木分野の大きく2つに分けられます。
建設業界に属する業種としては、主に以下のようなものがあります。
ゼネコン(ゼネラルコントラクター) | 大規模な建設の工事一式を請け負い、設計から施工の管理、また建設のための研究までを行う総合建設業者。 |
サブコン(サブコントラクター) | ゼネコンの補助的役割で、例えば設備工事や足場の工事など、企業ごとに建設の一部となる様々な専門的な分野を請け負う企業。 |
マリコン(マリンコントラクター) | 海底トンネルや護岸工事など、海洋土木に特化した建設会社。 |
ハウスメーカー | 住宅ブランドなどを持ち、戸建てを中心に住宅に特化した事業を手掛けるメーカー。 |
工務店 | ハウスメーカーよりも地域に密着して、規格化されていない住宅建設やリフォームなどを手がける企業。 |
建設業界では、建設物や構造物など自身の関わった仕事が目に見える形で完成するため、やりがいを感じやすいという魅力があると言われています。
特に、大規模な公共の工事などインフラに関わる場合には、大きな達成感を感じることもあるでしょう。
建設業界で進められるDXの重要性
そんな建設業界では、人手不足や長時間労働が課題になっていると言われています。
働き方改革などが進められ改善しつつありますが、労働時間が長くなってしまう原因のひとつとされるのが、建設工事に関わる様々な作業です。
工事に加えて報告書の作成や資料の整理、図面管理など煩雑な事務作業を行う必要があるため、やることが多く結果的に残業になってしまう、ということもあるでしょう。
そんな課題を解決するために現代の建設業界で重要視されているのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。
デジタル技術を活用し、業務を効率化することで、作業の負担を減らし働き方を改善することにつながるでしょう。
また、DXは建設現場での安全面の対策にも活用できます。
例えば、作業中危険なエリアを監視したりなど、作業を安全に進めるための仕組みづくりにも、AIやIoT技術など様々なデジタル技術が使われ始めています。
建設業界で活躍するエンジニアとは?
それでは、そんな建設業界でも、ITエンジニアは活躍できるのでしょうか。
ここでは、建設業界で活躍するエンジニアの役割についてご紹介していきます。
DXに欠かせないシステムエンジニア
まず、DXの推進に必要不可欠なシステムエンジニアの存在です。
デジタル化により業務を効率化するためのシステムづくりは、システムエンジニアによって行われます。
大規模な企業などでは自社でシステム開発を行っているケースも存在しますが、建設業界向けのDXサービスを担う会社などで、専門性の高いシステムを提供することもありますね。
今後も業務効率化のための様々なシステムの開発、また既存のシステムの保守やカスタマイズが求められることも予測されており、システムエンジニアは建設業界においても欠かせない存在となるでしょう。
建設エンジニアとは?
建設業界には、「建設エンジニア」と呼ばれる職種があります。
建設エンジニアとは、建設工事においてそのプロジェクトの企画設計や施工管理、完成後の保守などの幅広い役割を担うエンジニアの総称です。
建設エンジニアは、建設に用いる技術の開発などを行う技術開発エンジニアや土木分野の設計を行う土木設計エンジニア、プラントの設計・メンテナンスを行うプラントエンジニアなど、携わる分野ごとにそれぞれ分けられます。
ITシステムなどに関わる一般的なエンジニアとは少し異なり、建設において各分野の専門的な知識・技術を用いてプロジェクトを進める役割を持つ、建設業界での職種になります。
各分野の専門知識やプロジェクトのマネジメントスキル、最新技術に関する情報収集力など、高いスキルが求められるでしょう。
システムエンジニアが建設業界で活躍するために求められるスキル
建設業界で活躍するシステムエンジニアになるには、次のようなスキルが求められます。
- プログラミングスキル
- 業界知識
- コミュニケーション能力
- プロジェクトマネジメントスキル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プログラミングスキル
まず、システム開発の基礎となるのがプログラミングスキルです。
プログラミング言語は多数ありますが、使われる言語はその分野や企業によっても異なります。
例えば汎用性の高いJavaや、AI・IoTといった分野でも活用されるPythonなど、必要な言語はIT・システム開発の基礎とともに出来る限り習得しておきましょう。
業界知識
建設業界向けのシステム開発では、特に重要視されるのが業界知識です。
その業界の業務についての知識があることで、より専門性が高く、ユーザーのニーズに応えられるシステムを開発することができます。
建設DXにおいて多く用いられるAI・IoT分野や、情報が加えられた図面であるBIM(Building Information Modeling)など、建設分野で必要な幅広い知識が求められるでしょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、あらゆるエンジニアにとって重要なスキルでもあるでしょう。
システム開発は、基本的にプロジェクトとしてチームで行われることが多くなります。
チームメンバーとのコミュニケーションを取ることで、スムーズに開発を進められるでしょう。
また、コミュニケーション能力はクライアントへのヒアリングなど、経験を積み要件定義・設計といった上流工程を担う上でも重要ですね。
プロジェクトマネジメントスキル
キャリアアップや収入アップを目指す上で身に着けておきたいのが、プロジェクトマネジメントのスキルです。
プロジェクトマネ-ジャーとしてプロジェクトの管理を行う立場を目指す方はもちろん、大規模な開発では、プロジェクトマネージャーの補佐的にエンジニアのリーダー的立場を担うエンジニアが置かれるケースもあるでしょう。
スケジュール管理やクライアントとの調整など、プロジェクトを問題なく進行するための管理スキルを経験の中で学べると良いですね。
まとめ
今回の記事では、建設業界で活躍するエンジニアについて、その役割や求められるスキルなどをご紹介しました。
建設業界では業務効率化のためにDXが積極的に進められており、そのためには様々なシステムの導入が求められるため、システムエンジニアの力は欠かせないものとなっています。
建設業界に携わる仕事がしてみたいという方は、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。