ITエンジニアの今後の将来性は?AI時代の需要予測と市場価値を高める対策

現在、実際にITエンジニアとして働いている方や、今後エンジニアへの転職を目指しているという方の中には、ITエンジニアの将来性に関して疑問を持っているという方もいるのではないでしょうか。
「エンジニアには将来性がない」「AIに仕事を奪われる」
などのような言葉を耳にしたことがあるという方も多いかもしれません。
そこで今回は、近年のAI時代におけるITエンジニアの将来性は実際のところどうなのか、需要の高い分野や市場価値を高めるための対策法なども合わせてご紹介していきます。
目次
ITエンジニアに将来性はある?

DX化の推進やIoTの広がりなど、今やITは日々進化し、IT業界に留まらず業務にも日常にも欠かせないものとなっています。
そのためITエンジニアの需要も高まっており、IT業界全体でエンジニアの人手不足が問題となっているほどであるため、特に高いスキルを持つエンジニアの将来性は高いと言えるでしょう。
ではなぜ、エンジニアの将来性に疑問を持つ意見が見られるのでしょうか。
大きな要因として、かつて囁かれていた「35歳限界説」があります。
エンジニアは長時間労働が発生しやすく、心身ともに負荷がかかるため長く働くことが難しい職種であると考えられていたのです。
しかし近年では、働き方改革やエンジニア不足の現状を解決するため、労働環境は改善に向かっています。
テレワークの普及もあり柔軟な働き方が選択できるため、フリーランスのエンジニアなども増加傾向にあり、スキルを活かして長く活躍できるような環境が整ってきていると言えるでしょう。
ITの需要増加という面でも、労働環境改善という面でも、エンジニア人材の需要は減少しているどころか、増加の一途を辿っていると言ってよいでしょう。
「AIに仕事を奪われる」って本当?
将来性を疑問視するもう一つの意見として、「AIに仕事を奪われるのではないか」というものがあります。
AIが急速に普及している中で、確かに同じ作業を繰り返すような定型的な業務はAIにより自動化され、効率化されている企業も多くあるでしょう。
しかし、「AIにエンジニアの仕事が奪われる」というのは、誤解だと言えます。
エンジニアは専門性が高く、論理的な思考力なども要する職種です。
人間がコミュニケーションを取りながら柔軟に対応していくべき案件や、相手の意図を読み取り適切な対応を行う案件、新たな技術から価値を創造するような業務など、人間であるエンジニアにしかできない仕事も多くあります。
そのため、すぐにエンジニアの仕事がすべてAIにとって変わられる、という心配は少ないでしょう。
そもそもAI自体の発展にも、エンジニアの存在は不可欠ですね。
仕事を奪われるのではなく、今後はAIを活用して課題を解決できるエンジニアがより需要を高めていくでしょう。
AI時代、AIエンジニアが不要になる?
そんなAI時代のエンジニア事情の中で、大きな注目を集めながらも、「不要になるのではないか」と囁かれているエンジニア職種が、AIエンジニアです。
なぜ、AIエンジニアが不要になるという声が上がっているのでしょうか。
その理由や将来性についてご紹介していきます。
AIエンジニアとは

AIエンジニアとは、その名の通りAI(人工知能)を活用したシステム開発やデータ解析などを行うエンジニア職種です。
AIを用いたシステムの設計・開発や運用保守。AIへの機械学習・ディープラーニング、またAIを用いたデータの分析などが主な業務となります。
データ分析などの業務は、データサイエンティスト、データアナリストなど、専門職種の人とともに作業を行うこともあるでしょう。
AIエンジニアの仕事内容などについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
参考リンク https://www.engineer-route.com/column/10407/
AIエンジニアが不要になると言われている理由
大きな理由は、AI技術が進歩を続けているがゆえに、AIエンジニアの業務も代替できるようになるのではないか、という懸念です。
例えばプログラミングやパラメータ調整といった単純作業は、AIによって自動化できる可能性があるでしょう。
しかし、逆に言えば、さらにAIが進化し、導入が進むことで需要が増加し、新たなスキルや知識を求められる可能性もあります。
特に創造性を必要とする業務はAIで代替しにくいため。まだまだ人間が携わる必要があるでしょう。
AI技術は近年急速に発達している技術であり、それによって市場も非常にダイナミックに変動しています。
急速な変化と進歩に対応できるよう新たな技術に適応が必要であるなど高いスキルが求められることもありますし、そもそも現在のAIブーム自体が続くかどうかも定かではありません。
新技術が新たなトレンドとなり、AI需要が減少することも考えられるという点で、「AIエンジニアもなくなる可能性がある」と考えられてしまうのでしょう。
しかし、AI技術は多くの業界で現在も高い需要があり、今後もさらに多様な分野でAI技術が活用されることが考えられます。
それに伴って、AIエンジニアの需要も高まることが予測できるため、すぐになくなるということは考えにくいでしょう。
特に高度なAIスキルを持つエンジニアは、国際的にも非常に需要があります。
さらに、AIエンジニアには多様なスキルが求められ、そのスキルセットが活用できるのはAI分野だけではありません。
技術的スキルはもちろん、論理的思考力や問題解決能力などのスキルも先端分野をはじめ多くの分野で活かすことができるため、身に着けておいても損はないでしょう。
AIエンジニアになるために必要なスキル
将来性のある職種であることを知り、AIエンジニアに興味がわいた、目指してみたいという方もいるのではないでしょうか。
AIエンジニアになるためには、次のような様々なスキルが必要になります。
プログラミング言語
まずは、AIシステムの開発に求められるプログラミングのスキルです。
主に求められるのは、ライブラリが豊富で機械学習分野に活用できるPythonや、アプリケーション開発、性能の最適化などに活用できるJava・C++などのプログラミング言語ですね。
数学・統計学の知識
機械学習・データ分析などの分野では、統計学や確率論・線形代数・微分積分などといった数学の基礎知識も求められます。
数学的知識を身に着けると、AIの仕組みから理解することもしやすくなりますね。
また、AIを利用したデータ分析では様々な手法があるため、データ分析手法に関しても知識を身に着けておくのがおすすめです。
データベース・クラウド関連のスキル
機械学習・ディープラーニングでは、膨大なデータを取り扱うことになります。
ビックデータを活用するためには、データベースの管理やデータベース言語SQLの知識なども重要になるでしょう。
また、近年ではクラウド環境でのインフラも普及しているため、クラウド関連スキルもあわせて学んでおきたいスキルのひとつですね。
特に将来性が期待できるエンジニア職種
ITエンジニアと一口に言っても、携わる分野ごとに様々な職種があり、必要とするスキルも異なります。
今後将来性が特に期待できる分野のエンジニア職種としてご紹介したいのが、次の5つです。
- AIエンジニア
- データエンジニア
- IoTエンジニア
- クラウドエンジニア
- セキュリティエンジニア
AIエンジニア
まずは、前述したようにAIの発展に欠かせないAIエンジニアです。
AIはIT業界以外にも自動車や医療など様々な業界で活用されており、今後も更なる市場の広がりと需要の高まりが見込まれるでしょう。
AI開発にはプログラミング言語Pythonが用いられるため、Pythonの習得は必須となります。
データエンジニア

データの活用や管理を行うデータエンジニアも、ビッグデータが注目を集めている現代で需要が高まっており、今後もさらにあらゆる業界で課題解決のためにビッグデータを活用する業務が発生するため、将来性が高いと言えます。
データを分析し課題解決に活かすデータサイエンティストも近い職種として存在しますが、データサイエンティストが分析するデータを収集・管理する役割として、データエンジニアも仕事には事欠かないでしょう。
IoTエンジニア
「モノのインターネット」を意味し、あらゆるモノをインターネットに接続しシステムと連携するIoTも、身近な家電や自動車から医療分野、工場など、あらゆる業界で広がっています。
このIoTシステムの開発を行うIoTエンジニアも、今後ますます重要な職種となっていくでしょう。
IoTエンジニアにはネットワークやハードウェアなど専門性の高い知識が求められるため、より高度なスキルを持つエンジニアは市場価値を高めることができます。
クラウドエンジニア
AWSなどのクラウドサービスが普及し、システム開発に利用されることはもちろんサーバーなどのITインフラをクラウド上に構築する事例が増加しています。
そのため、クラウドのスキルを持つクラウドエンジニアも活躍の場が増えていくことが考えられます。
現在サーバーエンジニアなどのインフラエンジニアとして働く方が将来性を高めるには、クラウドのスキルが今後必須と言っても良いでしょう。
セキュリティエンジニア
先端分野というわけではないセキュリティですが、あらゆる企業・業界でIT化が進む現代では、システムを守るセキュリティエンジニアの重要性が高まっています。
ITの進歩に連れてサイバー攻撃の手法も進化し、情報漏洩などのリスクも高まっているため、セキュリティを専門に扱うセキュリティエンジニアはもちろん、他のエンジニア職種にも基礎的なセキュリティ知識が求められるでしょう。
エンジニアとしての市場価値を高めるための対策
エンジニアは将来性が高い職種であることはご紹介しましたが、もちろん、ただエンジニアとして働くだけでは市場価値の高いエンジニアになることはできません。
将来性の高いエンジニアになるために、次のようなポイントを抑えておきましょう。
- 最新の技術を学び続ける
- 設計やマネジメントのスキルを身に着ける
- しっかりとキャリアプランを考えておく
- 需要の高いプログラミング言語を習得する
- 資格を取得する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
最新の技術を学び続ける
まずは、最新のスキルを学び、身に着けていくということです。
将来性の高い職種としてご紹介したようなAIやクラウド、ビッグデータなどの分野は、どれも近年になって注目を集めているものです。
IT業界では技術の進歩が速く新たな技術がどんどん登場するため、1つの技術に依存していると、その技術に変わるものが台頭した場合に需要が無くなることも考えられます。
常に情報をチェックし最新の技術に対応できるよう学習を続けることで、いつでも需要の高いエンジニアとして活躍できるでしょう。
設計やマネジメントのスキルを身に着ける
開発は設計などを行う「上流工程」と開発や運用保守などを行う「下流工程」に分けられます。
上流工程を担当するには経験とスキルが必要になりますが、上流工程を担当できるだけの高いスキルや、プロジェクトをまとめるマネージャーやリーダー的な役割に着けるスキルがあれば、高い需要があるでしょう。
しっかりとキャリアプランを考えておく

安定して働き続けるために、どんなエンジニアを目指すか、キャリアプランをしっかりと考えておくことも重要です。
エンジニアはそれぞれ専門的なスキルが必要なため、キャリアプランを立てることでその実現に必要なスキルを学んだり経験を積んだりすることができ、技術の変化にも対応していけるでしょう。
また、キャリアプランを立てるうえでは、将来性も加味して職種や学ぶスキルを選ぶのが大切です。
キャリアチェンジ・キャリアアップとしては、技術的なスキル以外にもビジネスの知識を学び、ITを活用したコンサルティングを行うといった道もありますね。
需要の高いプログラミング言語を習得する
エンジニアにとって必要不可欠なスキルとして、プログラミングスキルがあります。
プログラミング言語は担当する分野や開発するものによってそれぞれ様々な言語が使われますが、プログラミング言語には流行もあり、新たな言語が流行したりと、その時々で需要の高い言語が異なることもあります。
時代に合わせ、需要の高いプログラミング言語を習得しておくことで、高単価案件の受注などにつながるでしょう。
例えば現代では、AI分野などで用いられるPythonや汎用的なJava、JavaScriptなどが挙げられますね。
資格を取得する

需要の高いプログラミング言語や最新の技術、様々なスキルを身に付けることが重要だとご紹介しましたが、案件受注につなげるには、これらのスキルを持っていることをわかりやすく証明し、アピールすることも大切です。
そのために役立つのが、資格の取得ですね。
IT分野では言語やスキルごとに様々な資格が存在するため、自分のキャリアパスに合わせて資格を取得しましょう。
例えば、将来性の高いエンジニア職種として1つ目に挙げたAIエンジニアでは、次のような資格がおすすめです。
- G検定
G検定は、JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が主催するディープラーニングに関する知識とその活用のスキルを求められる資格です。
機械学習・ディープラーニングや、AIの歴史、法律・倫理に関してなど幅広い知識が求められます。
- E資格
JDLA主催で、G検定の上位資格にあたるのがこのE資格です。
こちらは、「AIエンジニアとしてディープラーニングを実装できるスキル」を証明できる資格で、AIエンジニアとして働く方やキャリアアップを目指す方には特におすすめです。
こちらは事前に認定プログラムを受講することが必須となっており、難易度も比較的高いとされています。
- 統計検定
基礎から応用まで、統計学の知識を証明できるのがこの統計検定です。
データ分析の基本から確率論、推計統計学など、統計学に関する様々な概念や手法の知識を求められます。
データサイエンス分野・機械学習分野では特に重要な資格ですね。
また、資格取得の際には、専門性を意識することもおすすめします。
例に挙げたAIエンジニアのケースでは、機械学習分野の専門性を高めたい場合にはE資格、データ分析分野の専門性を高めたい場合には統計検定やデータサイエンティスト向けの検定、などといったように、キャリアアップに役立てられるよう、自身の得意分野や需要の高い分野などで専門性を高めることを考えて資格取得を目指すと良いでしょう。
将来性の高いITエンジニアに求められるスキルは?
市場価値を高めるのにはスキルを身に付けなければなりません。
では、具体的にどのようなスキルを意識して身に付けることで、より将来性の高いエンジニアになれるのでしょうか。
変化が速い先端分野への対応力
将来性を高めるために重要なスキルの1つ目として、
先端分野・技術変化が速い分野への対応力が挙げられます。
本記事でも度々話題に挙げているAI分野や、近年普及しているクラウド分野、日々進歩しているセキュリティ分野など、変化の速い分野はまだスキルを身に付けていないエンジニアも多く、いち早く対応することで、市場価値を高められます。
新たな技術・知識を柔軟に受け入れ、スキルを更新し続ける前向きな姿勢が、エンジニアとしての将来性を高めるでしょう。
技術面以外のビジネススキル
エンジニアに重要なのは、技術的スキルだけではありません。
今後も長くITエンジニアとして活躍するためには、チームメンバーやクライアント、連携する他部署など、関係者との関係構築や、ビジネス全体の流れを掴み、プロジェクトをスムーズに進められるような論理的な思考力やコミュニケーション能力といった、ビジネススキルも身に付けなければなりません。
プロジェクトは、多くの人で協力しながらつくり上げていきます。
相手の立場を考えながら、相手ごとに合わせて分かりやすい説明やコミュニケーションを行うことで、信頼も得られ、仕事もスムーズに進んでいくでしょう。
将来性を考えたITエンジニアの主なキャリアパス

ITエンジニアには、様々なキャリアパスがあります。
エンジニアとして成長し、スキルを身に付けていく中で、キャリアプランを考えておくことの重要性をご紹介したように、自分がどの方向性を目指すのかを考えながらスキルを身に付けていくことが、将来性を高めるための鍵になるでしょう。
エンジニアのキャリアパスは、主に次の3つが挙げられます。
- 特定分野のスペシャリスト
- プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
特定分野のスペシャリスト
まず、特定の分野でより深い専門的な知識・技術を身に付け、高い技術力のあるスペシャリストとして活躍していく道です。
セキュリティ分野やクラウドなど、自分の興味がある分野や得意な分野のスキルを突き詰め、高い技術力で企業や案件に欠かせないエンジニアを目指しましょう。
特定の分野で大きな信頼が得られれば、フリーランスでも継続案件を獲得できたり、安定した仕事に携わりやすくなります。
また、最新技術などを学ぶのが好きだという方には、新たな知識を得る喜びと、それが仕事につながるモチベーションを感じられるでしょう。
プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャー
プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーは、プロジェクトや開発チームのリーダーとして、プロジェクトのスムーズな進行・成功を目指す役割です。
プロジェクトの進行の管理やスケジュール、メンバーの調整、関係する他部署やクライアントなどとの連携など、プロジェクトを管理する立場として業務を行います。
チームでの仕事が好きだという方や、周囲を支えることが得意だという方はやりがいを感じやすいでしょう。
これらの役割を目指すには、技術的なスキルはもちろん、スケジュール管理などの管理能力やコミュニケーション能力など、総合的なスキルが求められます。
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、クライアントとなる企業の課題を、IT技術により解決するという役割を持つコンサルタント業務です。
IT技術・システムへの幅広い知識とともに、経営やクライアント企業の業務に関する知識など、ビジネスへの理解も求められるでしょう。
現場だけでなく経営陣の意見や全体の流れを掴みつつ、課題を解決することを目的とするITコンサルタントは、IT知識を活かしつつ、広い視野でビジネスに関わっていきたいという方に向いていますね。
まとめ
今回の記事では、ITエンジニアの気になる将来性を将来性の高い職種とともにご紹介しました。
ITエンジニアは将来性の高い職種ですが、個人として需要のあるエンジニアになり活躍し続けるためには、キャリアプランを立て、経験を積んでいくことが重要になります。
ぜひこの記事を参考に、将来性の高いエンジニアを目指してみてくださいね。
















