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サイバーセキュリティに関する資格全12選|資格取得のメリットも紹介!

デジタル化された情報を扱う上で、コンピュータウイルスや不正アクセス、改ざん、情報漏洩など外部からも内部からも警戒しなければならないことは多くあります。

こういった脅威になり得る原因に対処し情報の信頼性を守るという考え方を「サイバーセキュリティ」と呼び、サイバーセキュリティ情報を守るための重要な役割を担っているのです。

今回は、そんなサイバーセキュリティに関する資格と取得のメリットについて詳しくご紹介したいと思います。

サイバーセキュリティに関する資格の種類

サイバーセキュリティに関する資格は、大きく「国家資格」と「公的資格」、そして「民間資格」の3つに分類されます。

サイバーセキュリティに関する資格の取得を目指すにあたっては、まずこれらの資格種別を理解しておくことが必要です。

それぞれ、以下のような分類になっています。

国家資格その知識やスキルを国が認定する資格。
公的資格公益法人や民間団体が定めるものだが、省庁や大臣によって認定されている資格。
国家資格と民間資格の中間に位置付けられるもの。
民間資格企業や団体によって運営されている資格。
「ベンダー資格」とも呼ばれる。

【国家資格】サイバーセキュリティに関する資格2選

それでは、ここからはサイバーセキュリティに関する資格について、試験の分類ごとにご紹介します。

まず、サイバーセキュリティに関する国家資格には、「情報処理安全確保支援士試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」があります。

国家資格というだけあり、難易度はいずれもやや高いことが特徴です。

ここからは、各国家資格の詳細を説明します。

情報処理安全確保支援士試験

合格率20.1%(2021年)
費用7500円
出題形式多岐選択式・記述式

情報処理安全確保支援士試験は、IPA(情報処理推進機構)が主催する試験です。

情報セキュリティに関するスキルや運用方法、法的に要求される事項まで幅広く出題されます。

経済産業省が認定する国家試験で、合格後に所定の手続きを行うとサイバーセキュリティ対策の調査分析や指導を行うための国家資格、情報処理安全確保支援士登録セキスペになることができます。

国家資格であるため難易度は高いですが、サイバーセキュリティのスペシャリストとしてのスキルを証明できますね。

(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「国家資格『情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)』とは」/https://www.ipa.go.jp/siensi/

情報セキュリティマネジメント試験

合格率53.9%(2021年)
費用7500円
出題形式多岐選択式

こちらもIPA(情報処理推進機構)が運営する国家試験で、企業において情報セキュリティを確保するための計画から運用、改善などの情報セキュリティのマネジメントを行うスキルを問われる試験です。

エンジニアなどIT部門だけでなく企業で情報を扱う様々な方に向けられた試験で、特に個人情報や機密情報を取り扱う業務のある方は職種を問わず取得しておいて損はありません。

合格率も50%前後とそれほど難易度は高くなく、今後サイバーセキュリティに関わるための入門的な試験と言えますね。

(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報セキュリティマネジメント試験」/https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/

【公的資格】サイバーセキュリティに関する資格5選

次に、公的資格に分類されるサイバーセキュリティ資格です。

公的資格に分類されるものには、「情報セキュリティ管理士認定試験」や「個人情報保護士認定試験」などがあります。

5つの資格について、詳しくご説明します。

情報セキュリティ管理士認定試験

合格率多岐選択式
費用11,000円(通常受験者)
出題形式49.6%(過去平均)

情報セキュリティ管理士認定試験は全日本情報学習振興協会が主催する、国家資格と民間資格の中間に位置する公的資格です。

「情報セキュリティ総論」「脅威と情報セキュリティ対策①」「脅威と情報セキュリティ対策②」「コンピュータの一般知識」の4カテゴリが出題範囲となっており、それぞれ70%以上の正答で合格となります。

情報セキュリティに関する総合的な知識が求められ、こちらも職種を問わずサイバーセキュリティ意識の向上のためおすすめの資格です。

(出典:全日本情報学習振興協会「情報セキュリティ管理士認定試験」/https://www.joho-gakushu.or.jp/isme/

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定

合格率非公開
費用4000円
出題形式多岐選択式

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定は、セキュリティ対策推進協議会が運営する公的資格です。

SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定に合格しSPREADに入会すると、一般会員として情報セキュリティサポーター、つまり安全にインターネットを利用するためにセキュリティ面でのアドバイスを行うサポーターに登録されます。

合格率は非公開になっていますが年齢制限もなく難易度は低めですので、サイバーセキュリティについて学び始めた方など幅広い人材におすすめです。

(出典:一般社団法人 セキュリティ対策推進協議会「SPREAD情報セキュリティサポーターになるには」/https://www.spread.or.jp/kentei/supporter/

SPREAD情報セキュリティマイスター

合格率非公開
費用6000円
出題形式多岐選択式

セキュリティ対策推進協議会が運営する公的資格、SPREAD情報セキュリティサポーターの上位資格がこのSPREAD情報セキュリティマイスターになります。  SPREADに一般会員として入会していることと、情報セキュリティサポーターの試験に合格しサポーター資格を持っていることが受験資格になっています。

もちろんサポーター能力検定よりも難易度の高い試験になるため、サポーター認定後より高度な知識を身に着けてから受験しましょう。

(出典:一般社団法人 セキュリティ対策推進協議会「『SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定』受検案内」/https://www.spread.or.jp/kentei/meister/

個人情報保護士認定試験

合格率37.3%(過去平均)
費用11,000円
出題形式多岐選択式

個人情報保護士認定試験は、全日本情報学習振興協会が主催する公的資格です。

個人情報に関する総合的な知識を求められる「個人情報の総論」とそこに情報セキュリティの概念を加えた「個人情報保護の対策と情報セキュリティ」の2カテゴリが課題となっており、それぞれ70%の正答率が必要です。

IT系の知識よりも法律的な個人情報保護に特化した知識が問われるものです。

難易度がとても高いというわけではないので、こちらも業種を問わず個人情報を扱う業務のある方は取得しておいて損はありません。

(出典:一般財団法人 全日本情報学習振興協会「個人情報保護士認定試験」/https://www.joho-gakushu.or.jp/piip/

公認情報セキュリティマネージャー(CISM)

合格率非公開
費用US$760(非会員)
出題形式多岐選択式

日本にも支部を持つISACA(情報システムコントロール協会)が運営する公的資格であるCISM(公認情報セキュリティマネージャー)は、セキュリティマネージャーやセキュリティコンサルタント・企業のセキュリティ担当者などを対象として、セキュリティの設計やマネジメントを行うために必要な知識・スキルを問われる資格です。

国際的な資格であり試験自体の難易度も高くなっていますが、試験に合格しただけではCISMの認定を受けることはできません。

認定にはISACAの定める職業倫理規定を遵守した上での実務経験が5年以上必要になるため、セキュリティ管理の経験者でさらなるスキルアップがしたい方におすすめです。

(出典:ISACA 東京支部「公認情報システム監査人 (CISA: Certified Information Systems Auditor)」/https://isaca.gr.jp/cisa/index.html

【民間資格】サイバーセキュリティに関する資格5選

最後は、民間資格(ベンダー資格)に分類される資格です。
AWS認定セキュリティ」「シスコ技術者認定」などの5つの資格をご紹介します。

AWS認定セキュリティ

合格率非公開
費用US$300
出題形式多岐選択式

AmazonのクラウドコンピューティングサービスであるAWS、Amazon Web Serviceが主催する民間資格であるAWS認定セキュリティは、AWSのクラウドシステムを安全に運用するための知識を求められる試験です。

セキュリティやアクセス管理、データの保護、インシデントへの対応などAWSのセキュリティに関する様々な分野の知識が問われます。

実務経験無しでも受験は可能ですが、2年以上のAWS実務経験者を対象としているため難易度は高くなっています

民間資格ではありますがAWSを利用している現場での評価は高いため、そういった業務の多いSIerなどには特におすすめですね。

(出典:AWS Certified Security「Specialty 認定」/https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-security-specialty/

シスコ技術者認定

合格率非公開
費用$125~$300
出題形式CBTでの多岐選択式・ドラッグ&ドロップ・空欄埋めなど

著名なネットワーク機器開発企業シスコシステムズが認定する、世界的にも認知度の高い試験がシスコ技術者認定です。

エントリーレベルからアソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、スペシャリストと5つの難易度があり、ネットワークに関する様々な分野の試験があります。

そのため、難易度や試験によって受験料が変わります。

サイバーセキュリティの関連資格としては、「CyberOps」という分野の認定を目指しましょう。 

アソシエイト、プロフェッショナルの2つの難易度の試験があります。

(出典:シスコシステムズ「シスコ認定試験」/https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/exams.html

(ISC)²資格

合格率非公開
費用$249~$749(試験により異なる)
出題形式試験により異なる

アメリカの(ISC)²が認定する (ISC)²資格は、世界的に権威のある資格であり、グローバルに活躍したいサイバーセキュリティのプロ向けの資格です。

試験は「CSSLP」「SSCP」「CCSP」「CISSP」の4つに分類されており、資格の内容はそれぞれ以下のようなものになっています。

CSSLPソフトウェアライフサイクルの全て(セキュリティ要件定義、デザイン、コーディング・実装、運用、メンテ、破棄、)などにおけるセキュリティ、
かつ第3者に開発委託するケースで考慮しなければいけないセキュリティに関する知識が問われる。
SSCP技術としての観点だけではなく「組織」という観点から理解し、セキュリティを専門としていなくともサイバーセキュリティの専門家や経営陣とコミュニケーションを図れることを目指している人材を認定する。
CCSPクラウドサービスを安全に利用するために必要な知識を体系化した資格。
CISSP国際的に認められた情報セキュリティ・プロフェッショナル認定資格。情報セキュリティの共通言語とも言える『ISC2 CISSP CBK』を理解しているかを問われる。

(出典:ISC2 Japan/https://japan.isc2.org/qualification_list.html

Microsoft Azure Security Technologies

合格率非公開
費用21102円(2024年2月現在)
出題形式CBT方式による多岐選択式・空欄埋めなど

Microsoft社のクラウドサービス、Azureに関するセキュリティの知識を問われる試験です。

提供元であるMicrosoftが認定しています。

Azureを利用したシステムのセキュリティについて、その設計と管理に関するスキルがあることを認定してもらえるので、Azure案件に携わりたいエンジニアに特におすすめです。

(出典:Microsoft「試験 AZ-500: Microsoft Azure セキュリティ テクノロジ

ー」/https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/exams/az-500/

Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate

合格率非公開
費用21102円(2024年2月現在)
出題形式CBT方式による多岐選択式・空欄埋めなど

上で紹介したMicrosoft Azure Security Technologiesの上位資格となるのがこのMicrosoft Certified: Azure Security Engineer Associateです。

受験にはMicrosoft Azure Security Technologiesの認定を受けることが前提となっており、さらに高いセキュリティの制御や保護管理、またオンプレミス環境とつないだ場合にも安全な環境を構築できるスキルなどが問われます。

(出典:Microsoft「Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate

」/https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/azure-security-engineer/

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サイバーセキュリティに関する資格を取得するメリット

サイバーセキュリティには様々な資格があることをご紹介しましたが、実際に資格を取得することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

◯スキルアップ・キャリアアップを図りやすくなる

資格取得のために学習し、資格を得ることでより確かな知識が得られます

業務上自身がスキルアップできることはもちろんですが評価にもつながっていき、社内でのキャリアアップを目指すことができます。

企業によっては資格取得の報奨金があったり査定項目のひとつになっていたりするところもありますので、取得しておいて損はありません。

◯スキルの保有を証明できる

対外的にスキルを証明できるのも大きなメリットです。

特に転職・就職時や、フリーランスとして独立した場合には、面接先やクライアント企業に実務的にスキルをアピールする機会はなく、書類や口頭でアピールしなければなりません。

実務経験はもちろんですが資格があるとより客観的にスキルを証明することができ、 案件獲得にも転職にも有利に働きます。

サイバーセキュリティに関する資格の選び方・ポイント

サイバーセキュリティに関する様々な資格をご紹介しましたが、どの資格を選べばよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

自分に合った資格はどのように選べばよいのか、資格選びの3つポイントをご紹介します。

実務に直結するか

まず、現在自分が行っている業務など実務に直結する資格かどうかで判断します。

企業やクライアントへアピールしてキャリアアップを目指す上でも、組織に貢献するといった意味でも、実務に利用できない資格では無駄になってしまいます。

例えば社内のセキュリティ強化に必要なスキルを得るためにそれに関連する資格を選ぶなど、 実務で役に立つ資格を選びましょう

目的を達成できるか

資格を取得する際は、その資格を取得することで どんな目的を達成したいのか、事前にイメージしておくことが大切です。

「転職を目指し企業へのアピールとなる資格を取りたい」「キャリアアップを目指してさらに専門的な知識をつけたい」など、目的や目標がはっきりすることでおのずと自分に必要な資格が絞られます

キャリアステップに合っているか

セキュリティ知識や経験がないまま突然難易度の高い資格にチャレンジするのは難しいでしょう。

経験がなければまずは難易度の低い基礎資格から受験して知識の土台を作る、すでに実務経験があり、キャリアアップを目指していれば難易度の高い資格に挑戦するなど、自身のキャリアステップに合っているかどうかを考慮しましょう。

資格の受験用鋼などを確認して、スキルや経験と合った資格を選ぶとよいですね。

サイバーセキュリティに関する資格の学習方法

サイバーセキュリティに関する資格は資格によっても出題内容や出題方式などが異なりますので、対策も変わってくるでしょう。

しかし、基本的にどの資格においても

  • 自分に合った無理のない勉強スケジュールを立てる
  • 公式テキストや参考書を活用して勉強する

ということが重要です。

公式の問題集やセミナーがあるもの、過去問があるもの、動画で学べるものなども多くありますので、それぞれ学習の際に活用し、自分に合った方法で学習が進められると良いですね。

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まとめ

今回の記事ではサイバーセキュリティに関する様々な資格と取得するメリット、また勉強法について詳しくご紹介しました。

IT化が進む現代で情報を守るために、サイバーセキュリティは非常に重要な役割を担っています。

そんなサイバーセキュリティの関連資格を取得しておくことで、特に情報を扱うフリーランスのエンジニアの方は案件獲得につながります。

転職やキャリアアップにも役立てることができるでしょう。

様々な資格がありますので、この記事を参考に難易度や自分の業務に合ったものを選んでぜひ取得を考えてみてくださいね。