デジタル化された情報を扱う上で、コンピュータウイルスや不正アクセス、改ざん、情報漏洩など外部からも内部からも警戒しなければならないことは多くあります。
こういった脅威になり得る原因に対処し情報の信頼性を守るという考え方を「サイバーセキュリティ」と呼び、サイバーセキュリティ情報を守るための重要な役割を担っているのです。
今回は、そんなサイバーセキュリティに関する資格と取得のメリットについて詳しくご紹介したいと思います。
目次
サイバーセキュリティに関する資格8選

それではまず、サイバーセキュリティに関する資格の中で代表的なものを8つご紹介しましょう。
情報処理安全確保支援士試験
資格種別 | 国家資格 |
合格率 | 20.1%(2021年) |
費用 | 7500円 |
出題形式 | 多岐選択式・記述式 |
情報処理安全確保支援士試験は、IPA(情報処理推進機構)が主催する試験です。
情報セキュリティに関するスキルや運用方法、法的に要求される事項まで幅広く出題されます。
経済産業省が認定する国家試験で、合格後に所定の手続きを行うとサイバーセキュリティ対策の調査分析や指導を行うための国家資格、情報処理安全確保支援士の登録セキスペになることができます。
国家資格であるため難易度は高いですが、サイバーセキュリティのスペシャリストとしてのスキルを証明できますね。
(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「国家資格『情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)』とは」/https://www.ipa.go.jp/siensi/)
情報セキュリティマネジメント試験
資格種別 | 国家資格 |
合格率 | 53.9%(2021年) |
費用 | 7500円 |
出題形式 | 多岐選択式 |
こちらもIPA(情報処理推進機構)が運営する国家試験で、企業において情報セキュリティを確保するための計画から運用、改善などの情報セキュリティのマネジメントを行うスキルを問われる試験です。
エンジニアなどIT部門だけでなく企業で情報を扱う様々な方に向けられた試験で、特に個人情報や機密情報を取り扱う業務のある方は職種を問わず取得しておいて損はありません。
合格率も50%前後とそれほど難易度は高くなく、今後サイバーセキュリティに関わるための入門的な試験と言えますね。
(出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報セキュリティマネジメント試験」/https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/)
情報セキュリティ管理士認定試験
資格種別 | 公的資格 |
合格率 | 多岐選択式 |
費用 | 11,000円(通常受験者) |
出題形式 | 49.6%(過去平均) |
情報セキュリティ管理士認定試験は全日本情報学習振興協会が主催する、国家資格と民間資格の中間に位置する公的資格です。
「情報セキュリティ総論」「脅威と情報セキュリティ対策①」「脅威と情報セキュリティ対策②」「コンピュータの一般知識」の4カテゴリが出題範囲となっており、それぞれ70%以上の正答で合格となります。
情報セキュリティに関する総合的な知識が求められ、こちらも職種を問わずサイバーセキュリティ意識の向上のためおすすめの資格です。
(出典:全日本情報学習振興協会「情報セキュリティ管理士認定試験」/https://www.joho-gakushu.or.jp/isme/)
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
資格種別 | 公的資格 |
合格率 | 非公開 |
費用 | 4000円 |
出題形式 | 多岐選択式 |
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定は、セキュリティ対策推進協議会が運営する公的資格です。
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定に合格しSPREADに入会すると、一般会員として情報セキュリティサポーター、つまり安全にインターネットを利用するためにセキュリティ面でのアドバイスを行うサポーターに登録されます。
合格率は非公開になっていますが年齢制限もなく難易度は低めですので、サイバーセキュリティについて学び始めた方など幅広い人材におすすめです。
(出典:一般社団法人 セキュリティ対策推進協議会「SPREAD情報セキュリティサポーターになるには」/https://www.spread.or.jp/kentei/supporter/)
SPREAD情報セキュリティマイスター
資格種別 | 公的資格 |
合格率 | 非公開 |
費用 | 6000円 |
出題形式 | 多岐選択式 |
セキュリティ対策推進協議会が運営する公的資格、SPREAD情報セキュリティサポーターの上位資格がこのSPREAD情報セキュリティマイスターになります。 SPREADに一般会員として入会していることと、情報セキュリティサポーターの試験に合格しサポーター資格を持っていることが受験資格になっています。
もちろんサポーター能力検定よりも難易度の高い試験になるため、サポーター認定後より高度な知識を身に着けてから受験しましょう。
(出典:一般社団法人 セキュリティ対策推進協議会「『SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定』受検案内」/https://www.spread.or.jp/kentei/meister/)
個人情報保護士認定試験
資格種別 | 公的資格 |
合格率 | 37.3%(過去平均) |
費用 | 11,000円 |
出題形式 | 多岐選択式 |
個人情報保護士認定試験は、全日本情報学習振興協会が主催する公的資格です。
個人情報に関する総合的な知識を求められる「個人情報の総論」とそこに情報セキュリティの概念を加えた「個人情報保護の対策と情報セキュリティ」の2カテゴリが課題となっており、それぞれ70%の正答率が必要です。
IT系の知識よりも法律的な個人情報保護に特化した知識が問われるものです。
難易度がとても高いというわけではないので、こちらも業種を問わず個人情報を扱う業務のある方は取得しておいて損はありません。
(出典:一般財団法人 全日本情報学習振興協会「個人情報保護士認定試験」/https://www.joho-gakushu.or.jp/piip/)
公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
資格種別 | 公的資格 |
合格率 | 非公開 |
費用 | US$760(非会員) |
出題形式 | 多岐選択式 |
日本にも支部を持つISACA(情報システムコントロール協会)が運営する公的資格であるCISM(公認情報セキュリティマネージャー)は、セキュリティマネージャーやセキュリティコンサルタント・企業のセキュリティ担当者などを対象として、セキュリティの設計やマネジメントを行うために必要な知識・スキルを問われる資格です。
国際的な資格であり試験自体の難易度も高くなっていますが、試験に合格しただけではCISMの認定を受けることはできません。
認定にはISACAの定める職業倫理規定を遵守した上での実務経験が5年以上必要になるため、セキュリティ管理の経験者でさらなるスキルアップがしたい方におすすめです。
(出典:ISACA 東京支部「公認情報システム監査人 (CISA: Certified Information Systems Auditor)」/https://isaca.gr.jp/cisa/index.html)
AWS認定セキュリティ
資格種別 | 民間資格 |
合格率 | 非公開 |
費用 | US$300 |
出題形式 | 多岐選択式 |
AmazonのクラウドコンピューティングサービスであるAWS、Amazon Web Serviceが主催する民間資格であるAWS認定セキュリティは、AWSのクラウドシステムを安全に運用するための知識を求められる試験です。
セキュリティやアクセス管理、データの保護、インシデントへの対応などAWSのセキュリティに関する様々な分野の知識が問われます。
実務経験無しでも受験は可能ですが、2年以上のAWS実務経験者を対象としているため難易度は高くなっています。
民間資格ではありますがAWSを利用している現場での評価は高いため、そういった業務の多いSIerなどには特におすすめですね。
(出典:AWS Certified Security「Specialty 認定」/https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-security-specialty/)
サイバーセキュリティに関する資格を取得するメリット

サイバーセキュリティには様々な資格があることをご紹介しましたが、実際に資格を取得することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
◯スキルアップ・キャリアアップを図りやすくなる
資格取得のために学習し、資格を得ることでより確かな知識が得られます。
業務上自身がスキルアップできることはもちろんですが評価にもつながっていき、社内でのキャリアアップを目指すことができます。
企業によっては資格取得の報奨金があったり査定項目のひとつになっていたりするところもありますので、取得しておいて損はありません。
◯スキルの保有を証明できる
対外的にスキルを証明できるのも大きなメリットです。
特に転職・就職時や、フリーランスとして独立した場合には、面接先やクライアント企業に実務的にスキルをアピールする機会はなく、書類や口頭でアピールしなければなりません。
実務経験はもちろんですが資格があるとより客観的にスキルを証明することができ、案件獲得にも転職にも有利に働きます。
まとめ
今回の記事ではサイバーセキュリティに関する資格と取得するメリットについて詳しくご紹介しました。
IT化が進む現代で情報を守るために、サイバーセキュリティは非常に重要な役割を担っています。
そんなサイバーセキュリティの関連資格を取得しておくことで、特に情報を扱うフリーランスのエンジニアの方は案件獲得につながります。
様々な資格がありますので、この記事を参考に難易度や自分の業務に合ったものを選んでぜひ取得を考えてみてくださいね。
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