税理士・会計事務所業界のDXとは！エンジニアは活躍できる？求められるスキルも

各種税金に関する業務やコンサルティングなどを行う税理士と、そんな税理士がサービスを提供する場である会計事務所。

様々な業界で進められるDXですが、そんな会計事務所においてもDXが推進されており、DXによる働き方改革や業務効率化・改善などが求められているでしょう。

そんな中で、DX推進に向けて会計事務所でITエンジニアは活躍することができるのでしょうか。

今回は税理士・会計事務所業界におけるDX事情とともに、活躍できるエンジニア職種や求められるスキルまでご紹介していきます。

税理士・会計事務所業界とは？

税理士とは、企業や個人に対して、所得税・法人税などの様々な納税のアドバイスや申告書作成、会計業務の支援などを行う、国家資格を要する専門職です。

そんな税理士が、会計・税務サービスを提供する事務所が「会計事務所」と呼ばれます。

正式には「税理士事務所」を名称としていますが、税務以外にも前述のような会計業務の支援や経営のコンサルティングなども行うため、通称として「会計事務所」としていることが多いでしょう。

会計事務所には税理士以外に公認会計士が所属していることも多く、税務申告や記帳・経理の代行、書類作成、経営コンサルティング、給与計算など、個人・法人の様々な業務の代行などを行っています。

会計事務所でもエンジニアは活躍できる？DX事情！

DX（デジタルトランスフォーメーション）とは、デジタル技術を活用した業務改善・課題解決や顧客満足度の上昇を目指す取り組みです。

デジタル技術の普及による消費者行動の変化や既存のITシステムが持続不可能になるという問題の解消、テレワークの普及など、様々な背景により国を挙げて推進されているDＸは、会計事務所においても更なる導入が期待されているでしょう。

例えば、クラウド型の会計ソフトの活用による作業の自動化・効率化やペーパーレス化による資料管理の効率化やデータ入力時間の削減など、様々な業務面においてDXによる課題改善が進められています。

DXの導入にはコスト面やセキュリティ面への対策の必要性、従業員へのIT教育など様々な課題もありますが、今後もさらに推進されていくことが考えられます。

そこで、欠かせないのが、エンジニアです。

ITシステムの導入・運用には、エンジニアの存在が必要不可欠でしょう。

会計事務所においても、エンジニアは十分に活躍することが可能です。

会計事務所で活躍できるエンジニア職種

それでは、具体的に会計事務所ではどのようなエンジニア職種が活躍できるのでしょうか。

会計事務所で活躍できるエンジニア職種として挙げられるのが、主に以下の3つです。

• クラウドエンジニア
• 社内SE
• ITコンサルタント

それぞれ詳しく見ていきましょう。

クラウドエンジニア

まずは、クラウドサービスを活用したインフラやシステムの設計開発・運用に携わるクラウドエンジニアです。

会計事務所でのDXの代表例として前述のように、クラウド型の会計ソフトの導入などが挙げられます。

また、近年ではシステムを活用するためのサーバーなどのITインフラそのもののクラウド移行も進められており、その導入にはクラウドエンジニアのスキルが求められるでしょう。

AWS（Amazon Web Services）やMicrosoft Azureなど、著名なクラウドサービスに関する知識・スキルは身に着けておくと良いですね。

社内SE

続いては、社内SEです。

社内SEとは、企業に所属し、自社内のシステムの導入・運用など社内ITt関連業務を担うエンジニアです。

社内インフラの維持や社内機器の管理、トラブル時の問い合わせ対応のようなヘルプデスク業務まで、社内のITに関するなんでも屋さんのような立ち位置となる場合も多く、幅広いIT知識が必要になります。

特に大規模な会計事務所においては、システムの導入や活用のため、社内SEが置かれることもあるでしょう。

社内SEについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。

（内部リンク：https://www.engineer-route.com/column/17610/）

AI・データエンジニア

AI・データ分野に関する開発や運用などの業務を担うAI・データエンジニアも、会計事務所で活躍できるエンジニア職種のひとつです。

特に規模が大きくなった会計事務所では、顧客からのよくある質問などによる対応の負担が増加し、ひとりの顧客への対応時間が増加してしまい、結果的に顧客満足度の低下を招くといった課題が見られます。

そういった際にAIチャットボットを導入することで、自動回答により対応時間の削減が可能になり、専門業務へと集中できる、といった課題改善が可能でしょう。

また、データ分析によりさらに顧客先の経営課題の特定などの精度を高めることができ、サービスに付加価値を付けることができるようになりますね。

AIエンジニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。

（内部リンク：https://www.engineer-route.com/column/10407/）

会計事務所のエンジニアに求められるスキル

DXの進む会計事務所では、ご紹介したような様々なエンジニア職種の活躍が期待されます。

では、特に需要の高いエンジニアになるためには、どのようなスキルを身に着けていれば良いのでしょうか。

会計事務所で求められるスキルとしては、以下のようなものがあります。

・システム開発のスキル ・クラウドスキル ・AI・データ分析などの先端分野のスキル ・コミュニケーションスキル ・業務知識

技術的スキルとして欠かせないのは、業務システムの開発・運用に欠かせないシステム開発のスキルや、近年普及しているクラウド関連のスキル、また、今後より活用が期待されるAIやデータ分析といった先端分野のスキルです。

常に最新情報にアンテナを張り、学び続けることが重要になるでしょう。

さらに、技術的スキルだけでなく、税務・会計に関する業務知識や、コミュニケーションスキルも必要不可欠です。

業務知識がなければ、業務効率化に際した適切なシステムの構築や導入の提案などが困難になるでしょう。

また、特に社内SEなどを目指す場合には、社内の他の部門の人たちともコミュニケーションを取り、必要なシステムのニーズを理解したり、トラブルに対応したりすることが非常に重要になります。

まとめ

今回の記事では、税理士・会計事務所におけるDX事情について解説しながら、活躍できるエンジニア職種や求められるスキルなど、税理士・会計事務所への転職などを考えているエンジニアに向けた様々なポイントをご紹介しました。

税理士・会計事務所においても、ペーパーレス化やクラウド導入、AI活用など、既存のシステムから脱却し、業務革新を行うDXの推進が進められており、今後もさらにその傾向が強まることが予測されます。

それにより、システム導入に欠かせないITエンジニアの需要も高まることが考えられるため、需要の高いエンジニアを目指す方などは、AIなど先端技術の知識を身に着けながら、税理士・会計事務所への参入を考えてみても良いのではないでしょうか。