「サーバーエンジニアはやめとけ」と言われる理由は?魅力や向いている人の特徴

重要なITインフラであるサーバーに携わるエンジニア、サーバーエンジニア。
サーバーエンジニアの仕事に興味がある・目指しているという方もいらっしゃると思いますが、サーバーエンジニアについて知る中で「やめとけ」「サーバーエンジニアの仕事はきつい」と言われたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて、サーバーエンジニアがなぜ「やめとけ」と言われるのか、その理由と合わせて、サーバーエンジニアの魅力などをご紹介します。
向いている人の特徴や必要なスキルに関してもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも「サーバーエンジニア」とは?

サーバーエンジニアとは、その名の通りIT環境を整えるためになくてはならないサーバーの構築から運用・保守までを行うエンジニアのことを呼びます。
自社やクライアントなどの環境やサーバーを使用する目的に合わせて、どんなサーバーがどれくらい必要かを考え、OSなどを選定して設計するところからサーバーエンジニアの業務になります。
細かく設計ができたら、実際にラックを配置し、ケーブルの配線処理から必要なOS・アプリケーションのインストールまでサーバーの構築作業を行いますね。
運用・保守業務には、24時間365日稼働するサーバーの監視やセキュリティチェック、トラブルやバックアップ対応などがあります。
このようにサーバーに携わる一連の業務を行うエンジニアを、サーバーエンジニアと言います。
サーバーエンジニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。
参考リンク https://www.engineer-route.com/column/17603/
サーバーエンジニアが「やめとけ」と言われる理由6つ
重要な業務を担うサーバーエンジニアですが、経験者など周囲からは「やめとけ」と言われてしまうことがあります。
ここでは、なぜサーバーエンジニアが「やめとけ」と言われるのか、その主な理由をご紹介します。
その理由が、以下の6つです。
- 監視・保守業務がきつい
- 夜勤・残業が多い職場もある
- 突発的な障害対応に追われやすい
- 日々スキルアップが求められる
- 責任が重く失敗は許されない
- 業務内容によっては給料が低い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
監視・保守業務がきつい
まずは、常時稼働しているサーバーの監視・保守業務がきついということです。
サーバーは、24時間365日、シフト制で常に監視する必要があります。
特に問題がなければ退屈になってしまうこともありますが、だからといってサーバーがダウンしてしまうと業務などに多大な影響を及ぼすため、常に集中力や注意力は切らさず業務にあたらなければなりません。
また、業務上セキュリティが厳しいため様々なセキュリティチェックに煩わしさを感じるといった方や、機械を冷却する必要があるためサーバールーム自体が非常に寒く乾燥しており、環境が合わず体調を崩してしまうといった方もいます。
身体的にも精神的にも大きな負担を感じることがあるため、「やめとけ」と言われることがあるのですね。
夜勤・残業が多い職場もある
上にもあげた監視・保守業務の影響で勤務時間が不規則になるため、働く企業によっては夜勤や残業が多くなってしまい生活リズムが乱れがちです。
規則正しい生活をしたいという方などにとっては特にきついポイントですね。
企業のサーバーのメンテナンスやバックアップは平日を避けて土日に行われるということもあり、土日に決まった休みが取れない、休日出勤が増えるという場合もあり、プライベートな時間が思うようにとりにくい職場もあります。
突発的な障害対応に追われやすい
サーバーのトラブルは予測できず、突然発生します。
そのために常時集中して監視業務を行っていますが、その中で実際にトラブルや障害が発生した際には迅速に対応しなければなりません。
トラブルが発生すれば予想外の出勤や残業、長時間労働を強いられる場合もあるのが、サーバーエンジニアの辛いところですね。
日々スキルアップが求められる

IT業界は、進歩の早い業界です。
サーバーにおいても近年普及しているクラウドサービスや最新のセキュリティなど、常に技術や情報を学び続けなければなりません。
特に高収入のサーバーエンジニアを目指したいという方にとっては、スキルアップは必須になるでしょう。
働く会社から資格取得を求められるといったこともあり、普段の業務に加えて継続して学び続けなければならないというのも大変なところですね。
責任が重く失敗は許されない
企業のサーバーがトラブルなどでダウンしてしまえば、企業活動が停止してしまうということもあり得ます。
また、私たち多くのユーザーが利用しているサービスを提供するサーバーにトラブルがあれば、多くの人の生活に直結することもあるでしょう。
サーバー構築の段階からトラブルが発生しないような予防を注意を払って行わなければならないほか、実際に障害の対応でもできるだけ被害を最小限に抑えるために迅速に対応しなければならないため、「失敗は許されない」といったプレッシャーが大きくかかります。
そういった責任の重さもストレスになるため、「やめとけ」と言われることがあります。
業務内容によっては給料が低い
もちろん、スキルと経験があれば高収入も目指せるサーバーエンジニアですが、未経験の方が応募できるような保守・監視業務のような仕事内容だけだと給料が低い傾向にあります。
スキルアップできないままでは新たな業務を任せてもらえず給料も上がらないため、上流工程へのキャリアアップを目指しましょう。
中には保守業務のみを長時間担当させるような悪質な企業もあり、そういったところではスキルアップも難しくなりますので、求人選びにも注意すると良いですね。
サーバーエンジニアの魅力
様々な理由から「やめとけ」と言われることの多いサーバーエンジニアですが、悪いところばかりではありません。
サーバーエンジニアとして働くことには、大きな魅力もあります。
未経験でも挑戦しやすい
専門的な知識を必要とするエンジニア職種の中でも、サーバーエンジニアは比較的未経験でも挑戦しやすいと言えるでしょう。
サーバーエンジニアは学歴や職歴などの厳しい条件がなく、未経験者歓迎としている求人が多い傾向にあり、そういった企業には人材を育成するための研修や教育などの体制が整っているところも多くあります。
日々の業務経験を通して着実に技術を身につけられる仕事でもあるため、未経験者がキャリアアップの第一歩として飛び込みやすい職種ですね。
将来性があり需要も高い
DX化が推進されている現代で、今後もIT業界はさらなる発展を遂げることが考えられます。
需要が増加する一方でIT人材の不足が叫ばれており、ITインフラを担うサーバーエンジニアも例外ではありません。
特に、クラウド化など最新の技術に関する知識やスキルのあるサーバーエンジニアは将来性があり、需要も高まっていくでしょう。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴
魅力ややりがいももちろんあるサーバーエンジニアですが、「やめとけ」と言われる原因のひとつには向き不向きもあるでしょう。
以下のような特徴のある人にとっては、サーバーエンジニアは向いている職種だと言えます。
- 機械に触れるのが好き
- プレッシャーに強い
- 新たな技術を学ぶのが好き
機械に直接触れたい、機械いじりが好きだという方は、他のエンジニア職種よりもサーバーエンジニアがおすすめですね。
また、「やめとけ」と言われる理由にも挙げたプレッシャーや学習意欲の面には自信があるという方は、責任の重さをやりがいにしながらスキルアップし、高収入を目指していけるでしょう。
向いていない・きつくなってしまう人の特徴は?
向いている人の特徴とは逆に、次のような特徴を持つ人は、サーバーエンジニアの仕事がきついと感じてしまいやすいかもしれません。
- プレッシャーに弱い
- 夜勤や休日出勤は絶対にしたくない
- 細かい作業が苦手・ミスしやすい
「やめとけ」と言われる理由でもご紹介したように、サーバーのトラブルはいつ発生するか予測できず、現場によっては休日出勤や夜勤などが発生する場合もゼロではありません。
そのため、夜勤・休日出勤に強い抵抗がある方はきついと感じるかもしれません。
またクライアントの企業活動を背負い、トラブルが起きないような保守業務を行わなければならない・トラブル時には迅速に解決しなければならないことで、プレッシャーを感じることもあるでしょう。
向いていない・希望する働き方に合っていない仕事を選べば、心身ともに負担となり、短期離職につながってしまう可能性もあります。
しっかりと自身の適正も確認した上で判断しましょう。
サーバーエンジニアに必要なスキル

サーバーエンジニアの魅力や適正を理解した上で、サーバーエンジニアへの転職に興味が出たという方や、サーバーエンジニアとしてより活躍を目指したいと考えた方もいるのではないでしょうか。
ここでは、そういった方に向けて、サーバーエンジニアに求められるスキルをご紹介していきます。
サーバーの設計・構築スキル
まずは、サーバーの設計・構築を行うスキルですね。
これらのスキルは、特にサーバーエンジニアとしてより上流工程を目指し、年収アップにつなげたいという方には必須のスキルです。
サーバー業務における上流工程では、クライアントの要望に合わせたサーバーの設計・オンプレミスであれば機器の選定と実際の構築作業などが行われます。
これらの業務をよりクライアントに寄り添って行うためには、コストや容量など、様々な要因から最適なサーバー選び・設計を行えるだけの知識が欠かせないでしょう。
サーバーOSの知識・スキル
サーバーの構築・運用には、サーバーOSと呼ばれるOSが用いられます。
そのためサーバーOSの知識も、サーバーエンジニアには欠かせません。
主に用いられているサーバーOSとしては、
- Linux
- Windows Server
- Unix
などがあります。
企業によって使用するOSも異なるため、できるだけ多くのOSの知識があれば、より幅広い業務が行えるでしょう。
クラウドサービスに関する知識・スキル
近年では、クラウド技術の普及により、クラウド環境でのサーバー・インフラ構築が主流になりつつあります。
オンプレミスからクラウドへの移行も多く発生しており、今後サーバーエンジニアとして活躍していくためには必須とも言えるスキルになります。
主なクラウドサービスとしては、
- AWS(Amazon Web Service)
- Microsoft Azure
- GCP(Google Cloud Platform)
などが挙げられます。
これらのクラウドサービスの知識は、ぜひ身に着けておきましょう。
コミュニケーションスキル
エンジニア全体に言えることですが、コミュニケーションスキルもサーバーエンジニアとして活躍していくためには欠かせません。
上流工程に携わるようになれば、クライアントの要望を引き出しながら、専門知識のないクライアントに伝わるような説明を行うという「聞く力」「話す力」両方のコミュニケーションスキルが問われます。
また、さらにキャリアアップでプロジェクトマネージャーのような立場を目指す場合には、チームのメンバーなどと上手くコミュニケーションを取りつつ、プロジェクトが問題なく進行するようマネジメントを行う必要があり、高いコミュニケーションスキルが必要になるでしょう。
サーバーエンジニアにおすすめの資格
転職・キャリアアップにおいて重要なのは、企業などに自身のスキルをしっかりとアピールすることです。
対外的に分かりやすくスキルを示す方法のひとつに、資格取得があります。
今回はサーバーエンジニアにおすすめの資格をご紹介しますので、ぜひ取得を目指し転職などに役立ててみてください。
Linux技術者認定(LinuC)
Linux技術者認定は、著名なサーバーOS「Linux」に関するスキル・知識が証明できる資格です。
基礎となるLevel1~設計管理からセキュリティまで高度なスキルを証明できるLevel3まで3つのレベルが用意されています。
Linuxシステムの管理運用など、実践的なスキルを証明できる資格のため、特に実務経験のある方は取得を目指してみるのもおすすめです。
CCNA・CCNP
CCNA・CCNPは、ネットワーク機器メーカーシスコシステムズが実施する、シスコ認定資格の試験です。
エントリー、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパート、アーキテクトといった5つの試験レベルがあり、CCNAがアソシエイト、CCNPがプロフェッショナルにあたります。
これらはサーバーとも密接に関係しているネットワークに関する幅広い知識が求められるもので、取得することで、ITインフラ関連のより幅広い業務を行うことができるでしょう。
AWS認定資格
AWS認定資格は、著名なクラウドサービスとしてご紹介したAmazonのAWSに関する知識・スキルを証明する資格です。
基礎レベルからアソシエイト、プロフェッショナル、専門知識レベルの4つのレベルがあり、また各難易度で、それぞれ専門領域ごとに分けられたいくつかの試験があります。
まず取得したい基礎レベルとなるのが、「AWS Certified Cloud Practitioner」と呼ばれる試験です。
クラウド知識やセキュリティ、データ保管面など、基礎的なAWS知識を証明できるため、まずこちらの取得から目指していきましょう。
まとめ
今回の記事では、「やめとけ」と言われることの多いサーバーエンジニアについて、きつい理由とその魅力、向いている人の特徴まで詳しくご紹介しました。
サーバーエンジニアは、大きな魅力ややりがいのある職種でもあります。
記事内でもご紹介したように様々なスキルが必要ですが、将来性も高く、おすすめできるエンジニア職種のひとつだと言えるでしょう。
この記事を参考に自分は向いているかもしれない、サーバーエンジニアへの興味が増したという方は、未経験からでもぜひ目指してみてはいかがでしょうか。











