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テレビ局でエンジニアは活躍できる?テレビ業界で求められるITスキルとは

何気なく見ているテレビ番組の制作には、テレビ局をはじめいくつかの企業が連携しており、携わる職種も様々です。

様々な制作スタッフや技術スタッフ、アナウンサー、局の営業など多くの職種の人々が関わっていますが、IT技術を基に働くITエンジニアは、果たしてテレビ局でも活躍は可能なのでしょうか。

今回は、テレビ局・テレビ業界で活躍できるエンジニア職種について、テレビ局のDX事情などとともにご紹介していきます。

テレビ業界とは?

テレビ業界とは、その名の通り、テレビ番組の制作や放送を中心とする、テレビ関連の業務を行う業界のことを指します。

ニュース番組やバラエティ番組、ドラマなど、様々なコンテンツの企画・制作から放送までに携わる産業で、

  • テレビ局(主に放送を行う役割)
  • 番組制作会社(番組の制作を担う会社)
  • 広告代理店(企業とテレビ局の間に入り、広告枠の販売を行う役割)

などの企業からなっています。

近年では、インターネットの普及によりスマートフォンやタブレットなどで好きな時に様々な動画を見られるようになり、テレビの影響力や広告費は減少傾向にあるとされていますが、配信サービスのスタートなど、時代に合わせ形を少しずつ変えながら、未だ一定の支持を得ています。

古くからの憧れなど、テレビ業界に携わることに興味があるという方も多いのではないでしょうか。

テレビ局でもエンジニアは活躍できる?

それでは、そんなテレビ業界、テレビ局では、エンジニアは活躍できるのでしょうか。

前述したようにインターネットの普及により、主力となるメディアがテレビからネットに移り変わっていく流れは、大きく変わることはないでしょう。

それに伴って、テレビ局が重視しているのが、動画配信・テレビ以外の事業の強化です。

例えばフジテレビ・日本テレビ・TBS・テレビ朝日・テレビ東京の5局が運営する見逃し配信サイト「TVer」やテレビ朝日がサイバーエージェントと共同展開する「AbemaTV」といった事業への参入、フジテレビ運営会社は都市開発・観光事業に力を入れるなど、多角的な事業が行われています。

特にインターネットを活用した配信サービスなどでは、配信アプリの開発など、実現のためにエンジニアの存在は欠かせません。

テレビ局・テレビ業界においても、エンジニアは活躍することができるでしょう。

放送技術エンジニアとは?

ITエンジニアとは多少異なりますが、テレビ局においてエンジニアとしてまず活躍しているのが、放送技術エンジニアです。

放送技術技術エンジニアとは放送受信設備・放送信号送出設備の設計・構築から運用・保守までを担うエンジニア職種で、設備のソフトウェア的な設定などを担当します。

放送技術エンジニアには、電気分野の基礎的な知識などが必要になるでしょう。

テレビ局で活躍できるエンジニア職種

現代のテレビ局では、放送技術エンジニア以外にも、IT技術・知識を業務に活用するエンジニアは活躍することができるでしょう。

特にテレビ局で需要のあるエンジニア職種としては、次のようなものがあります。

インフラエンジニア

まずは、インフラエンジニアです。

そもそもITシステムの活用には、サーバーやネットワーク、セキュリティ面など、ITインフラが欠かせません

テレビ局でも例外ではなく、社内で活用される様々なシステムの土台となるインフラの設計構築や管理運用を行うインフラエンジニアには高い需要があるでしょう。

インフラエンジニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。

(内部リンク:https://www.engineer-route.com/column/1504/

アプリケーションエンジニア

続いては、アプリケーションエンジニアです。

アプリケーションエンジニアは、その名の通りスマートフォンアプリやWebアプリなど、様々なアプリケーションの設計開発や運用保守に携わるエンジニアです。

スマートフォンなどで配信された動画を見ることができる配信アプリや、番組と連動するアプリなど、現代のテレビ局では様々なアプリが開発・運用されています。

アプリ開発に必要なスキル・言語は該当のアプリケーションのプラットフォームなどでも異なりますので、アプリケーションエンジニアを目指す方は専門とするアプリケーションに用いられる言語などから学び始めると良いでしょう。

AI・データエンジニア

もうひとつが、AI・データエンジニアです。

先端分野であるAI・データ活用は、様々な分野・業界でも注目されており、テレビ局でも新たなツール・サービスを生み出しているでしょう。

例えば、スポーツのライブ中継を行う場合、画面に映る選手はどんどん入れ替わっていくため、これまでは目視で判断し選手名などのテロップを入力していました。

限界のある人力での判断を助けるために開発されたのが、スポーツ選手特化の画像認識AIです。

このように、AIやビッグデータなどを活用したシステム開発を行うAI・データエンジニアは、テレビ業界でも一定のニーズを持っているでしょう。

AIエンジニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧下さい。

(内部リンク:https://www.engineer-route.com/column/10407/

今後のテレビ局で進められるDX

デジタル技術を活用することで、ビジネスの変革や新たな価値の創造を目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)。

政府の後押しなどもありあらゆる業界で進められるDXによる革新は、今後のテレビ業界でもさらに注目を集めることが予測できます

現状、国内のテレビ業界でもすでに、例えば前述のような画像認識を行ったり、コンテンツの盛り上がりシーンを分析するといったようなAIの活用や、データを活用することで新たな広告指標を確立しようとする試みなど、革新と転換が進んでいます。

また、業務効率化にもデジタル技術は十分に活用されており、フジテレビによる配信データの自動変換を行う「DACX」など、作業時間削減・業務生産性向上を目指す試みが各局で見受けられるでしょう。

今後もテレビ局においてIT技術導入による課題解決・業務効率化が進められることは間違いなく、エンジニアも新たな技術を学び続けることで、業界に大きく貢献する重要な存在となることができるかもしれません

まとめ

今回の記事では、テレビ局・テレビ業界におけるIT技術活用において、エンジニアは活躍できるのか、できるとすればどのようなエンジニアにニーズがあるのかを主軸に、テレビ局のDXについても詳しくご紹介してきました。

IT技術の導入・活用に、エンジニアの存在は必要不可欠です。

特にAIなどの先端分野のスキルを十分に持つエンジニアは、DXが進められるテレビ業界をはじめ、あらゆる業界でニーズがあるでしょう。

テレビ業界に興味のあるエンジニアは、技術を学びながら、ぜひ業界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。