公開日

業務委託契約書とは?業務委託契約を結ぶ際にチェックすべき注意点

フリーランスが案件を受注する際には、一般的に業務委託契約を結ぶことになります。

業務委託契約書と呼ばれる書面を交わして契約を行いますが、業務委託契約を行う上で、報酬面や契約解除など、トラブルのリスクを避けることは非常に重要です。

フリーランスが不利になるような条件や反対にクライアントに迷惑をかけてしまうといったことがないよう、契約時には業務委託契約書の内容をしっかりと確認することが大切になるでしょう。

そこで今回は、業務委託契約書でチェックすべき注意点について、詳しく解説していきます。

案件受注の際には、ぜひ参考にしてみてください。

業務委託契約書とは?

そもそも業務委託契約とは、企業が外部の企業・個人に対して自社の業務を依頼する際に結ぶ契約のことを指します。

自社社員と結ぶような雇用契約ではなく、成果物や業務の提供に対して報酬が支払われる、という働き方で、フリーランスは一般的にこの業務委託によりクライアントから案件を受けることになるでしょう。

業務委託契約書は、外部への業務委託を行う際に用いられる、業務内容などの委託条件を書面化した書類です。

基本的に委託する発注者が書面を作成し、受注する側が内容を確認して、署名を行うことで契約が結ばれます。

業務委託契約の種類

業務委託契約は、その報酬の支払い方法によって、次のようないくつかの種類に分けられます。

毎月定額型毎月一定の報酬を支払う場合の形式
(例:コンサルティングやシステム保守など)
成果報酬型成果によって報酬が変化する場合の形式
(例:店舗運営や営業代行など)
単発業務型案件1件ごとに報酬が決まっており、1件ごとに契約する場合の形式
(例:開発案件やデザインなど)

業務委託契約書でチェックすべき7つの注意点

フリーランスがクライアントと業務委託契約を結ぶ際には、後にトラブルになってしまうなどのリスクを避けるために、業務委託契約書の内容をしっかりとチェックしておくのが重要です。

業務委託契約書でチェックすべきポイントとしては、次の7つが挙げられます。

  • 契約内容・業務内容
  • 納期や納品物
  • 報酬・報酬の支払い期限
  • 契約解除について
  • 成果物の知的財産権や秘密保持について
  • 再委託の可否
  • トラブル発生時について

それぞれ詳しく解説していきます。

契約内容・業務内容

まずは、契約の内容と受注を受ける業務内容です。

業務委託契約は民法に基づく契約となりますが、報酬の支払い方法以外にも、その契約内容に応じて民法上でどの契約類型に該当するか、いくつかの種類があります。

請負契約業務の完了が条件となり、成果物に対して報酬が支払われる契約
委任契約業務(法律行為)の遂行に対して報酬が支払われる契約
準委任契約法律行為ではない業務の遂行に対して報酬が支払われる契約
派遣契約派遣会社と労働者が雇用契約を結び、派遣先で業務を行う契約

これらの契約類型によって、成果物への責任の所在や労働条件が変わってきます。

例えば請負契約では成果物への責任が生じるため、成果物の完成・納品が前提となることなどを理解しておきましょう。

納期や納品物

次は、納期・また納品物の確認です。

いつまでに何を納品すべきかが契約書に明確に記載されているかどうかをチェックしましょう。

納品方法や検査基準、万が一納期に遅れる場合の通知の有無や措置など、万が一を想定して詳細に明示されている契約書であれば、よりトラブルを避けやすくなりますね。

報酬・報酬の支払い期限

報酬についても、

  • 報酬の具体的な算出方法や金額
  • 支払いの時期
  • 支払い方法
  • 業務遂行のために費用がかかった場合の負担

など、細かく明記されているかどうかチェックしましょう。

業務遂行時に費用がかかった場合の負担については、委任契約では委任者が原則負担、請負契約では受託者が原則負担といったように、こちらも契約の類型によって法律上で決められています。

契約解除について

契約後に解除を希望するような事態が起きた際、どのような時であれば業務委託契約を解除できるのか、解除の要件が誤解なく具体的に書かれているかも確認が必要です。

こちらも契約類型によって原則の取り扱いが決められており、例えば請負契約では基本的に契約後の受託者からの解除は難しく、仕事完成前であれば委任者からの契約の介助ができるとされています。

不利益を被ってしまわないよう、契約違反など何か問題があった際に契約の解除が可能かどうかチェックしておきましょう。

成果物の知的財産権や秘密保持について

契約上一方的な不利益が発生するのも避けるため、成果物に対する知的財産権に関してや業務上の秘密保持についても契約書ではっきりさせておきましょう。

知的財産権は、個人の発想により生まれた成果物に対する権利で、例えば著作権や商標権といったものも含まれます。

第三者による無断使用を防ぐためのものですが、業務委託で成果物、特に自身の発想を必要とするものを納品する場合には、事前に知的財産権の所在がどちらにあるのかを明らかにしておくことで、トラブルを防ぐことができます。

例えば高度なアプリ開発などを受注した際には、知的財産権は自身で保持しつつ、先方とライセンス契約を結ぶなどのやり方もあります。

事前に話し合い、双方が納得した状態にしておきましょう。

情報漏洩防止のための秘密保持条項についても、損害賠償請求などの罰則を含め確認が必要ですね。

再委託の可否

委託された業務をさらに他の業者などの第三者に委託する「再委託」に関しても、これが認められているかどうか、言及されているかをチェックしましょう。

業務委託は基本的に、受注者のスキルや実績を信頼して交わされるものです。

再委託を認めてしまうことで期待していた成果やクオリティが得られない可能性もあるため、再委託に関しては契約で禁止条項を置いていることもあります。

トラブル発生時について

その他にも、様々な禁止事項やトラブル発生時の対応についての記載もしっかりとチェックしておく必要があります。

例えば、トラブル発生時に損害賠償が必要になった際、その責任の範囲と賠償額を事前に明記しておくことで、責任が無制限に膨らんでしまうのを防ぐことができます。

また、業務委託契約では、契約に関してトラブルが発生した際に管轄となる所轄裁判所も規程されていることが多いでしょう。

注意すべき点として、自宅から所轄裁判所が遠いという場合です。

基本的には発注先企業に近い裁判所が所轄となっていることが多いですが、裁判所が離れていると万が一の際の移動費用や書類のやり取りなどの手間がかかります。

発注先と受託者の距離が離れている場合には、中間地点とするのが良いですね。

まとめ

今回の記事では、フリーランスが案件を請け負う際に交わすことになる業務委託契約について、契約書でチェックしておかなければならない注意点を詳しく解説してきました。

業務委託契約は民法に基づき締結されるもので、双方が納得して業務を行う上で非常に重要なものです。

事前に細かく明記しておき、またしっかりと確認しておくことで、トラブルを避け、スムーズに案件を進めることにもつながっていくでしょう。

今後業務委託契約を結ぶというフリーランスの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。