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Pythonとは?特徴・できること・活用事例・需要と将来性を解説

人工知能や機械学習の分野で近年最も注目されているプログラミング言語「Python(パイソン)」。

その注目度から名前を聞いたことがあっても、詳しくは知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は注目を集めており需要の高まりを見せるPythonについて、言語の内容や特徴、できることから将来性まで、詳しくご紹介します。

Pythonとは?4つの特徴も解説!

Python(パイソン)とは、1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサムによって開発されたオブジェクト思考プログラミング言語です。

Pythonの名前の由来はイギリスのテレビ局BBCが制作した「空飛ぶモンティ・パイソン」から使われており、バージョンを重ねて2017年現在ではバージョン3.6版が公開されています。

Pythonはパワフルで高速に動作し、可読性が高くクロスプラットフォームな言語でさまざまなOSやプラットフォームに対応しています。

インタプリタ言語で、面倒なコンパイルやリンクが必要ありませんので、プログラミングをするときに時間を節約することができます。

 そのような理由からさまざまな分野の開発でPythonが採用され、世界中で支持を集めています。

また、Pythonは読みやすく誰でも効率の良いコードを簡単に書けるようにするという思想があります。

わかりやすくシンプルな言語構造なため、初心者向けのプログラミング言語とも言われており、教育の分野でもPythonの採用が広まっています。そのため、プログラミング経験者にとっても習得しやすい言語と言えるでしょう。

そんなPythonには、Pythonならではの4つの特徴があります。

特徴(1)シンプルで読みやすい文法

Pythonは文法を単純化して可読性を高めているため、書きやすくコードの信頼性を重視して設計されています。

具体的にはC言語やJavaのように条件式などで{}(波括弧)を用いずにインデントで記述することができるので、だれが見ても読みやすい可読性の高いコードを記述することができます。

特徴(2)豊富なライブラリ

Pythonは予約語が少なく極力機能を抑えているため誰でも同じようなコードが記述できますが、不足している機能については提供されているライブラリを使用して実装を行います。

提供されているライブラリのジャンルも日付を扱うもの、科学技術計算、データベース、データのグラフ化などさまざまです。

そのため、ライブラリを使用すれば効率よく開発を行うことも可能です。

特徴(3)人工知能(AI)や機械学習の分野が得意  

Pythonは人工知能や機械学習の分野でも支持を集めており、このような分野に興味があってPythonを始める方も多いのではないでしょうか?

人工知能とは人間と同等もしくはそれ以上の頭脳を持ったコンピュータをプログラムで再現する技術で、データを解析してその結果から判断したり、予測を行うための機械学習のアルゴリズムが適用されています。

人工知能を開発するには、C/C++やJavaなどの言語が使われていましたが、Pythonが選ばれる理由としては、先述したようにクロスプラットフォームでシンプルでわかりやすく、高いパフォーマンスを期待できる言語であることが挙げられます。


また、数値計算を高速で行うなどの豊富なライブラリが多く提供されていることも理由の1つです。

特徴(4)構築環境が無料で提供されている

Pythonでは、Pythonの開発を始めるための構築環境である「Jupyter Notebook」や「Google Colab」が無料で提供されています。

また、機械学習に必要なデータセットや様々なライブラリの中にも、無料でインターネット上に公開されているものが多くあります。

開発に必要なコストを大幅に抑えることができるのも、Pythonを使用するメリットですね。

Pythonでできること4選

では、実際にPythonを利用するとどんなことが可能になるのでしょうか。

Pythonが主に活用されている4つの分野について、実際の事例も交えてご紹介します。

Webアプリケーション開発

まず、先端分野で注目される以前からPythonが利用されていたのがWebアプリケーション開発です。

例えば、「Instagram」や「YouTube」、「Dropbox」といった非常に有名なWebサービスの開発にも使われていますね。

Webアプリケーション開発に使えるフレームワークも豊富にあるため、効率的な開発ができることから多く採用されています。

人工知能(AI)開発

前述したように、Pythonは人工知能(AI)分野での開発に強みを持つことから注目されています。

画像認識や顔認証、音声認識などAIを利用したサービスで必要とする処理を得意とするライブラリもあり、実際にGoogleの画像検索や「Alexa」「Siri」などの音声認識にも使われていますね。

また、近年話題となっている「ChatGPT」の文章生成処理などの開発にも採用されるなど、この分野でのPythonの需要は非常に高くなっています。

ブロックチェーン技術開発

データを複数のブロックに分け、それらをチェーンのように連携させ管理する技術をブロックチェーン技術と呼びます。

このブロックチェーン技術はセキュリティ性の高さからビットコインなど暗号通貨によく利用されていますが、この開発でもPythonが使われています。

ブロックチェーン技術は暗号通貨だけでなく手軽な身分証明やスマートコントラクトなど、インターネット社会において様々なシーンに利用されており、今後もさらに広がりを見せることが予想できますね。

Webデータ収集・解析・処理

Pythonには、膨大なデータの処理や分析を効率化してくれるライブラリが豊富にあります。

そのため、「スクレイピング」と呼ばれるWeb上のデータの収集・解析にも役立てられています。

スクレイピングによって、例えばECサイトにおいて商品データや売上を集計し、分析して可視化することで売上の予測やマーケティングを効率的に行うことができるでしょう。

AIの開発に重要な機械学習でもデータを収集・分析し、学習させることが必須になるため、その点でもAI開発と相性が良いのがPythonです。

Pythonの基本構文

ここでは、実際にPythonの基本構文を見ていきましょう。
Pythonを導入する方法や基礎学習については、Pythonの公式サイトを参照してください。

Hello World

Pythonはプログラミング学習者がまず最初に出力するHello Worldも簡単です。
Hello Worldを記述するには、以下の一文を記述します。

print("Hello world!")

他のプログラミング言語のように、使用するパッケージを先頭に記述したり、クラスやmain関数を記述する必要もありません。

変数の宣言と代入

変数の宣言や値の代入も簡単です。
C言語やJavaのように数値型(int)や文字列型(string)などを指定する必要がなく、PHPのように変数の先頭に$を付加する必要もありません。

num = 100
text = "hello"
print(num)
print(text)

条件分岐

条件分岐のif文も他の言語のように{}(波括弧)を用いずにインデントを使用するのみですので、簡単に記述することができます。

num1 = 10
num2 = 20
if num1 < num2:
  print("変数num2のほうが大きい")

繰り返し

指定した回数分処理を繰り返すfor文も簡単です。以下の例ではrange関数で処理を5回繰り返します。

for i in range(5):
   print(i)

この処理では変数iに0が代入され、その後1,2,3,4と続きます。

Pythonの活用事例3選

できることでもご紹介したように、Pythonはその扱いやすさやライブラリの豊富さから様々な分野やアプリケーションの開発で活躍しています。

実際に活用されている事例について、より詳しく見てみましょう。

YouTube

2005年のサービス開始から現在に至るまでユーザーが増加し続け、現在世界一の動画投稿サイトと言ってもよいYouTubeを支えているのがPythonです。

Pythonは主にYouTubeのサーバーサイド処理などに利用されており、膨大な動画容量を処理するための土台となっています。

YouTubeでの採用から、Googleに関連する他のWebアプリケーションにおいても需要を伸ばしていますね。

Google画像検索

Google関連では他にも、画像検索においてPythonが利用されています。

PillowNumPyといった画像認識・画像処理を得意とするライブラリや顔認証を得意とするOpenCVなど、様々なライブラリを利用することで高度な画像処理AIの作成に役立っています。

Instagram

現在Meta社が提供しており、全世界で10億人を超える

ユーザー数を誇る写真・動画共有サイト、Instagramも、Pythonによって構築されています。

InstagramはPythonのWebフレームワークDjangoを使って作られており、Pythonの様々なフレームワークの汎用性から、小規模な開発から現在の膨大なユーザー数を抱えるInstagramのような大規模な開発に対応できることが分かりますね。

Pythonを主な使用言語とするエンジニアの職種は?

様々な分野で活躍するPythonは、使用するエンジニア職種も多岐にわたります。

Pythonを主な使用言語とするエンジニア職種について、3つご紹介します。

Webエンジニア

まずは、Webアプリケーション開発を行うWebエンジニアです。

Webアプリケーション開発は主に、ユーザーの目に見える部分であるフロントエンドとユーザーから見えないサーバー処理などのバックエンドの2つに分けられます。

このうち、Pythonはバックエンドの開発に使用されることが主となります。

Instagramにも利用されていた、Webページ管理用のソフトがまとめられており汎用性が高いDjangoというフレームワークなど、優秀なWebフレームワークの多さから、Pythonを多く利用するのがWebエンジニアですね。

AIエンジニア

Pythonを使用言語とするエンジニア職種の中でも、近年特に需要が高いのがAI分野の開発を行うAIエンジニアではないでしょうか。

機械学習エンジニア」とも呼ばれる機械学習を取り入れたAI開発など、クライアントが求めるAIシステムの開発を行います。

需要の高いAIエンジニアですが高いスキルと知識を求められるもので、PythonでのプログラミングのみならずAIに対する理解やデータ分析、IoTに関する知識など様々なスキルが必要になります。

目指すには、AI分野を専門とする大学や専門学校で学ぶのが良いですね。

データサイエンティスト

ビッグデータを活用し、企業における課題の解決をサポートする「データ分析の専門家」とも言えるのがデータサイエンティストです。

データ収集を効率的に行うためのスクレイピングなど、データサイエンティストにもデータ分析に特化したライブラリが多数あるPythonを使用する場面は多くあります。

データサイエンティストにはデータ分析のスキルはもちろん統計学や行動心理、ビジネス的な観点など幅広い知識が要求されますが、高収入を目指せる職業としても注目されていますね。

Pythonの需要と将来性

人工知能分野をはじめとして、先端分野での活躍が見込まれるPythonの将来性は高いと言えます。

AI技術は今後さらに発展し、ビジネスや生活など様々なシーンでAIを利用したサービスが普及していくことは想像に固くありません。

その上、汎用性が高くWeb開発などにも利用できるPythonの需要はさらに増加していくでしょう。

さらに、AI分野では要求されるスキルも高く、そういった面でも扱えるエンジニアの不足が問題となっています。

Pythonを習得しAIエンジニアやデータサイエンティストを目指すことで、エンジニアとしての将来性も高めることができますね。

まとめ

今回の記事では今最も注目されている言語と言えるPythonについて、特徴から活用されている事例、将来性までご紹介しました。


今後も人工知能の広がりはもちろん、それに関連するサービスなどPythonの需要は増加することが考えられる将来性の高い言語です。


エンジニアとして今後も活躍していきたい方、興味のある方は、ぜひPythonを学んでみてはいかがでしょうか?

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