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フリーエンジニアのためのプロジェクトマネジメント教室 〜【第1回】ITプロジェクトの特徴と成功の秘訣〜

プロジェクト(project)とは「前に」という意味の[pro]と、「投げる」という意味の[ject]が合成された言葉です。
つまり、基本的な意味は「前に投げる」ということになりますね。
これを空間に対して「前に投げる」というケースだと、プロジェクターやプロジェクション・マッピングなどの言葉からなんとなくイメージできるのではないかと思います。
辞書では「投影する」と記してますね。

これを時間に対して「前に投げる」というケースはどうでしょう?
辞書では「企画する」という言葉が適切かと思います。
時間的に「前」を表す、未来に対して行動指針を投影するようなイメージです。
例えば高層ビルを建設するとか、映画を製作して公開するとか、これらは、何もない状態から何かが存在する状態に変化させていますよね。
つまり何かを作るという目的を定めてそれに必要な行動をとっています。

でもそのためには、どれだけの期間が必要なのか、資金はどれくらい必要なのか、人材はどうしよう?外部に依頼するには?品質は?といった様々な要素を考慮しないと実現できません。

つまり、プロジェクトとは目的を達成するために、様々な要素を考慮しながら企画し、それを実行し、そして達成させるような行動の集まりであると理解してください。

マネジメントって何?

ではプロジェクト・マネジメントの「マネジメント」とは何でしょう?
マネジメントの動詞形である、[manage]を分解すると、[man]はマニュファクチュアやマニキュア、マニュアルなどと同じく「手」を表します。
[age]は「する」という接尾語ですね。
手を使って何かをするということでしょう。

辞書を引くと「何とかする」と書いてありますが、もともとイタリア語の「馬を馴らす」という言葉から来ているとのことなので、ムチで叩くような、感情的に、感覚的に物事を進めるのではなく、手で優しく撫でるように、理性を持って、理論的に進めていく、それがマネジメントというものなんだと思います。

つまりプロジェクト・マネジメントとは、「目的を達成するために、様々な要素を考慮しながら企画し、それを実行し、そして達成させる行動について、理性を持って、理論的に進めながら、目的を何とか達成させること」と言えますね。

ITプロジェクトの特徴

では、もう少し踏み込んでITエンジニアの皆さんが参画している「ITプロジェクト」とは他の業界のプロジェクトと比較して、どのような特徴を持っているのでしょうか?

例えば先に示した、高層ビルの建築の場合だと、建築業界は様々な関連法規、規制があるため、明確にプロセスを定義しやすい点が挙げられます。
また業界の歴史が長いため、長年にわたるノウハウが蓄積され、プロジェクト・マネジメントの方法論も確立されている点も大きな特徴です。
ちなみに世界で最も古くに創業された、いわゆる老舗企業は日本の建設会社の金剛組で578年創業だそうです。「親方」が代々ノウハウを引き継ぎながら方法論を確立していったのでしょう。

それに対しITプロジェクトは、歴史が浅く、まだまだマネジメントの方法論が確立されているとは言えないですね。
また技術進歩が激しく、過去のプロジェクトをなかなか参考にしづらいという背景があることも忘れてはいけません。
さらに、法的な縛りがほとんど無いため、ある意味自由にマネジメントできる点が、マネジメントを属人的にさせているのではないかと感じています。
だだし、かつてはITプロジェクトの成功確率が30%といわれていたものが、近年は50%近くまで上がっているということなので、そういった意味では徐々に方法論も確立されているのでしょう。

では、どのようにして成功確率を上げてきたのでしょうか?

ITプロジェクト成功の要因

そのポイントの一つは「可視化」です。
建築業界の場合は、設計の際に模型などを使って成果物のイメージをクライアントと共有しながら進めていき、実際に工事に入ると工事の状況は素人でもある程度は確認することは可能です。

しかし、ITシステムの場合は極端にいうと、ユーザテストまで、クライアント側はその実態を掴めないこともあります。
しかもシステムというのはユーザが能動的に操作をしなければその実態を把握できないのも特徴で、ぱっと見ただけでは出来、不出来が解らないのです。
こういったIT業界特有の問題に対して、現場ではプロトタイピングよる可視化や、アジャイルによる可視化までの期間を短くする手法が普及してきたことにより、徐々に成功率が上がってきているというのが専門家の見方です。
とはいえ、まだまだ50%の成功率です。

このような状況の中、ITプロジェクトのマネージャは[manage]という言葉とおり、何とかしていかないといけないのです。
逆の言い方をすれば、成功するか否かはプロジェクト・マネージャの腕次第なんですよね。
そして可視化以外にもプロジェクトを成功させる様々な要因があるはずです。

次回以降は、プロジェクトを成功させるその他の要因を理論的な側面・実践的な側面を交えながら追及していきたいと思います。

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