セキュリティ業界でエンジニアが活躍するには?将来性や役立つ資格までご紹介

インターネットやITが広がり情報漏洩などが問題となっている中で、技術とともに進化するサイバー攻撃の脅威から様々な情報を守るためのサイバーセキュリティは、非常に重要になっています。
では、重要度とともに需要も高まるサイバーセキュリティ業界では、エンジニアはどのように活躍しているのでしょうか。
今回はサイバーセキュリティ業界で活躍する職種、特にエンジニアについて、その将来性やそのキャリアパスに役立つ資格までご紹介していきます。
目次
サイバーセキュリティ業界とは?

サイバーセキュリティとは、インターネットやコンピュータを安心して利用できるように、不正アクセスやウイルス、情報漏洩、サイバー攻撃などから守るための対策を行うことを言います。
そんなサイバーセキュリティを企業や医療機関、金融機関など様々な組織に提供しているのが、サイバーセキュリティ業界です。
あらゆる組織・業界でITシステムを利用している現代では、サイバーセキュリティ業界は非常に注目を集めているでしょう。
サイバーセキュリティ業界で活躍する職種
サイバーセキュリティ業界には、サイバーセキュリティに関するそれぞれの業務を行う、次のような複数の職種があります。
- システム管理者
- セキュリティエンジニア
- サイバーフォレンジック・アナリスト
- インシデント・レスポンダー
- ペネトレーション・テスター
それぞれ詳しく見ていきましょう。
システム管理者
まずは、システム管理者です。
システム管理者とは、システムの構築や運用保守を担当するエンジニアのことを指します。
具体的にはネットワークやサーバーの構築と運用保守、またセキュリティへの対策を合わせて行う、いわゆるネットワークエンジニアやサーバーエンジニアなどといった職種が含まれます。
細かな職種によっても必要なスキルは微妙に異なってきますが、ITスキルや問題解決能力などは共通して必要になるでしょう。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、その名の通りシステムの構築運用時に情報セキュリティの確保を担当するエンジニアです。
セキュリティ対策を実際に設計・実装したり、セキュリティリスクの分析やすでに構築されたシステムに対してセキュリティの脆弱性を評価したりといった業務を担います。
セキュリティエンジニアについてさらに詳しく知りたいという方は、こちらの記事もご覧ください。
(内部リンク:https://www.engineer-route.com/column/5598/)
サイバーフォレンジック・アナリスト

サイバーフォレンジック・アナリストとは、サイバー攻撃や不正アクセスが起きた場合に調査を行う専門職種です。
例えばハッキングなどのサイバー攻撃を受けた際にその攻撃の手法や攻撃経路などを技術的に分析します。
損害が発生して訴訟などになった場合に提出するための、証拠を収集する役割でもありますね。
そのため、法的な知識や報告書の作成などを求められることもあります。
インシデント・レスポンダー
インシデント・レスポンダーは、サイバー攻撃や情報漏洩などのセキュリティインシデントが発生した場合に直接的な対応を行う役割を担います。
復旧作業はもちろん、インシデントの原因を分析し、再発を防止するための対策を検討・立案するのもインシデント・レスポンダーの役割です。
問題が起きた場合には迅速な対応が求められるため、セキュリティ知識はもちろん判断力や分析力も必要になるでしょう。
ペネトレーション・テスター
ペネトレーション・テスターは、システムやアプリケーションにセキュリティ的な脆弱性がないかどうかを検出する役割です。
また、様々なツールを用いてセキュリティの評価を行うだけでなく、反対にその脆弱性からサイバー攻撃を予測して、情報分析を行うこともあります。
そのため、サイバー攻撃に関する知識とセキュリティ知識の両方が求められるでしょう。
サイバーセキュリティ業界の将来性
転職などを考える場合、将来性は気になるところですよね。
サイバーセキュリティ業界の今後の需要や将来性はどうなのでしょうか。
冒頭でもご紹介したように、インターネットが広がりあらゆる業界でIT化が進む中で、便利な反面情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクはつきものです。
そんなリスクに対応できるサイバーセキュリティ業界の需要も非常に高く、さらに高レベルなセキュリティスキルの習得は難易度が高いと言われているため、セキュリティ人材は不足しているとされています。
そのため、スキルを持つ人材の将来性は高いと言えるでしょう。
さらに、近年ではリモートワークの広がりもあり、社内の情報の取扱いや自宅からのサーバー利用など、セキュリティ面でさらに注意しなければならないことも増加しています。
サイバーセキュリティは今後も企業活動に欠かせないものであり、業界の需要も下がることは考えにくいですね。
サイバーセキュリティ業界で役立つ資格

より将来性や需要を高めるのに役立つのが、資格の取得です。
資格の取得によりスキルを証明することができ、幅広い業務や転職に有利になるでしょう。
サイバーセキュリティ業界で役立つ資格には、主に以下のようなものがあります。
◯情報セキュリティマネジメント試験
IPA(情報処理推進機構)が運営する国家資格のひとつである情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティマネジメントの基礎的なスキルを認定するものです。
ITパスポートの上位資格で、個人情報を扱う部署や情報管理を担う部署に所属する方など、機密情報を扱う人はぜひ取得しておくと良いですね。
◯情報処理安全確保支援士試験
同じくIPA(情報処理推進機構)が認定するのが、サイバーセキュリティの専門的かつ実践的なスキルを問われる情報処理安全確保支援士試験です。
こちらは国内のセキュリティ関連資格の中でも最難関と呼ばれるほど難易度が高いため、高度な知識や実務経験がある方向けですね。
◯情報セキュリティ管理士認定試験
一般財団法人全日本情報学習振興協会が運営する公的資格が、情報セキュリティ管理士認定試験です。
サイバーセキュリティに関する知識を広めることを目的として運営される資格であり、サイバーセキュリティ業界だけでなくあらゆる企業で情報を扱う事務・管理職の方などにもおすすめですね。
◯SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
SPREAD(一般社団法人セキュリティ対策推進協議会)が運営する公的資格で、情報セキュリティの基礎を問われるのがこの検定です。
上位資格として「SPREAD情報セキュリティマイスター」も存在しており、セキュリティマイスターでは、IT機器の設定や組織のセキュリティレベル向上に貢献できる高いセキュリティ能力を認定されます。
まとめ
今回の記事では、近年注目されるサイバーセキュリティ業界について、サイバーセキュリティ業界で活躍するエンジニアなどの職種や業界の将来性、また業務に役立つ資格まで詳しくご紹介しました。
インターネットやITシステムを活用する上で、サイバーセキュリティ対策は欠かせません。
サイバーセキュリティ業界には、今後も高い需要が期待できるでしょう。
サイバーセキュリティ知識はあらゆるエンジニア職種でも役立ちますので、興味がある方はぜひ学んでみてはいかがでしょうか。