フリーランスが知っておくべきフリーランスのための制度とは

「働き方改革」という言葉を耳にしたことがありますか?
働き方改革とは、一億総活躍社会の実現というスローガンのもと国が主導となって行われている改革です。
多様な働き方を可能とし、中間層の厚みを増しつつ格差を小さくすることで、成長と分配の好循環を実現することを目的としています。
近年、労働人口の減少が加速しており、2060年にはピーク時である8000万人の半分となることが予測されています。
そのため、日本における生産力から国力に至るまで低下することは避けられないとして、内閣が本格的に働き方改革に乗り出しました。

そんな中、終身雇用制度が時代にマッチしなくなり、自分に合った仕事や職場に転職をするといった機運が高まっていますが、実はフリーランス(個人事業主)を後押しする様々な制度があり、フリーランスに転向する方も増えています。

今回はフリーランスの制度についてご紹介します。現在フリーランスの方は少しでも不利益を被らないよう、フリーランスを目指している方は選択肢を広げられるようにぜひ参考にしてください。

フリーランス(個人事業主)と控除

まず、フリーランスは個人事業主であるため、基本的な税金の知識が必要です。

税金の種類も所得税だけではなく、給料からの源泉徴収で無意識のうちに税金を納めていた方にとっては少々ややこしい部分もあるかもしれません。
しかし、「控除」という言葉は聞いたことがあるはずです。
雇われていた時とはまた違った控除の制度がありますので、ご紹介します。

所得控除

所得控除にはいくつかの種類があり、主に人的なものと金銭的なものとに分かれます。
人的なものとは配偶者控除や扶養控除が該当し、金銭的なものについては各種保険料に関する控除や医療費控除が該当します。
各種保険料に関する控除ですが、その保険の種類に応じて制限額が異なります。

税額控除

税額控除は、所得控除を差し引いた後の金額(課税所得金額)に、税率をかけて計算した税額から直接、控除が適用されます。
そのため計算された所得税額を限度として、控除の金額がすべて税額から差し引かれます。

フリーランス(個人事業主)と国民年金基金

現在、日本では全ての人が何かしらの年金制度への加入が義務付けられています。
企業に勤務する人が厚生年金に加入しているのに対して、フリーランス(個人事業主)は基礎部分の国民年金にしか加入していません。
そのため、実際に年金を受給する段階になった時、企業に勤務していた人と個人で事業を行っていた方とでは、受け取る年金の金額に大きな差がつくことになります。
そこで、個人事業主が自分で上乗せ部分を追加することができるのが国民年金基金というものです。

国民年金基金は自分で加入する口数を選択することができ、加入口数に応じて将来受け取ることのできる年金の額を増やすことが可能となっています。
年金はその性質上、課税については納税者側が優遇されています。
そして、上記で述べたように支出した掛け金は、全額が所得控除の対象となります。
掛け金を支出したときは所得控除で、将来受け取る時には年金による有利な課税という、二段階での優遇がされていることがメリットとなります。
フリーランスの方の多くが心配されているのが事業を引退した後のことで、細々と食べていく分には問題はないが、貯蓄といった観点から心配されている方はこちらの制度を利用しましょう。

フリーランス(個人事業主)がやっておきたい小規模企業共済

企業に勤める方であれば、退職金についてもしっかりと把握されていることでしょう。
しかし、この退職金という制度はどの企業でも用意されているわけではなく、大手の企業と比較したときに中小企業や個人事業主にはきちんと退職金制度を用意するほどの体力が無いのが現実です。

フリーランスに関しては、将来的に廃業をした後の備えはすべて自分で行なわなければなりませんが、すべてが計画通りにいくとは限らないのが世の常です。

そんなときにお勧めの制度が、「小規模企業共済」という制度です。

この制度は自分で退職金を用意しておくための制度で、毎月決まった金額の掛け金を支出し、所定の年齢に到達した場合や廃業をした場合に、その時点で掛け金に応じた金額を受け取ることができるものです。

ここまでの説明だと単純に廃業後の貯金を確保しておくのと変わらないといった印象を受けるかもしれませんが、この共済金を実際に受け取る際、受け取る方法を一括か分割で選択することが可能です。

一括を選択した場合、税務的には退職金と同じ扱いになります。
退職金はその性質上、実は税務上においてかなりの優遇がされるのです。

また、分割での受け取りを選択した場合は年金形式での課税が行われ、年金も税務上、かなりの優遇がされています。
支出される掛け金は全額が所得控除の対象となるため、国民年金基金と同じく支出時にも、受取時にも有利な税制が適用される制度となるのでこれを使わない手はないでしょう。

フリーランス(個人事業主)と確定拠出年金

確定拠出年金は企業や加入者が毎月一定額の掛金を拠出して、自分で運用していくものです。
支払われた掛金が自分の口座に積み立てられ、運用して得られた給付金が将来的に自分の手元に戻ってくるようなイメージです。
そのため、運用の結果次第では将来的に受け取ることのできる年金の額に差がでてきます。
会社員と比べて個人事業主は比較的簡単に加入することができるので、加入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?

個人事業主はリスクばかりが先行してしまい、踏み込むには勇気がいりますが、制度としては個人事業主の方が企業に勤められている方より優遇されているものも多く、上記で紹介した制度はその一部でしかありません。

ご紹介した制度の掛け金は、基本的に満期になるまで引き出すことができないため、余剰資金で活用することが重要になっていくなど、活用するには知識が必要です。

個人事業主(フリーランス)にとってはこうした制度は生命線でもあり、知らなかったばっかりに直接的な損害につながる可能性もあるので、こうした制度を常に把握し、自分に合った制度を活用しましょう。