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【解説】必要とされるRPA(自動化)エンジニアになるには

RPA(自動化)って、どんな技術?

RPAとは「Robotic Process Automation」の略語です。RPAツールによって作成されたシナリオをもとに定型業務・作業を自動化する概念であり、各ベンダーが開発したRPAツールを用い自動化する技術の事を指します。
今回は必要とされるRPA(自動化)エンジニアになるための手段を書いていきます。

1.RPA(自動化)って何?

具体的に言うと、定型業務をロボットが人より速く的確に作業することです。ここで言う定型業務とは、経理・総務の計算作業や営業の販売管理など、人が繰り返し行う作業にあたります。RPA化(自動化)を行うと、大量の経理作業や転記作業をロボットが自動的に作業してくれるようになります。

次にRPA(自動化)によって、効率化を実現した事例を紹介いたします。

事例紹介1

生命保険業界のバックオフィス業務から総務部門などの49業務を自動化。
RPA導入の結果、1年あたり5万時間相当の効率化を実現したそうです。(効率化の数値は人間が作業していた工数から換算)

事例紹介2

地方自治体における健康診断関連業務と公共料金関連業務の自動化。
RPA導入の結果、最大87.1%の時間が削減されたそうです。

事例紹介3

人材業界におけるデータ移行作業と申請内容の確認作業の自動化。
RPA導入の結果、1企業当たり30分以上かかったデータ移行が、5から10分程度でデータ移行が完了できた。

出典【2020年版】各業界のRPA導入事例と効果・効能について

このように幅広い業種でRPA(自動化)の技術が利用されています。

2.RPA(自動化)の歴史

RPA(自動化)の登場によって、私たちの仕事の在り方は少しずつ変わってきています。ではRPA(自動化)はいつから登場したのか、RPA(自動化)の歴史について振り返ってみましょう。

各有名ツールが現れた時期から見ていきます。時代の流れとしては2000年辺りから、欧米で業務効率化の意識が高まりRPAツールに注目されます。このときRPA市場に登場した企業がUiPath (アメリカ:設立2005年)、Automation Anywhere(アメリカ:設立2003年)、Blue Prism(イギリス:設立2001年)となっています。

欧米で業務効率化が進んでいく中、日本でRPAツールが登場し始めたのは2010年辺りからです。BizRobo!(日本)の商標登録は2008年、WinActor(日本)は2013年にリリースされています。

その後、2017年に政府から働き方改革の号令が出ました。この号令によって各企業が対策を検討し始めることになり、日本でRPAが注目されるようになったと言われています。

参照 働き方改革は待ったなし! やらない企業は「滅びの道」です

3.RPA(自動化)は何故必要なのか?

RPA(自動化)は何故必要とされているのか。ポイントとして以下の2点があげられます。
・少子高齢化により、生産性人口が減少
・政府による働き方改革推進

2019年4月より、働き方改革関連法案の一部が施行されました。この法案により、時間外労働の上限が明確になり、決められた残業時刻を超えた仕事ができなくなります。

制限された時間の中私達が今までと同じように生活を送るには、仕事の生産性を向上させる必要があります。結果定型業務を自動化できるRPA(自動化)に注目されるようになったのです。

ポイント1

RPA(自動化)の前身となる技術があり、前身の技術を改善かつパッケージ化して売り出された

ポイント2

働き方改革の関心が高まったことで、定型業務の時間・コスト短縮ができるRPAツールが注目されるようになった

参考 2017年以降、働き方が大きく変わる「働き方改革」とは

RPA(自動化)には、具体的にどんな仕事があるの?

RPAツールを開発する仕事とRPAツールを用いた自動化を実施する仕事に大きく分類されます。今回は後者のRPAツールを用いた自動化を実施する仕事をさらに分類し解説していきます。RPA(自動化)の仕事には、大きく3つの流れに分類できます。

1.RPA(自動化)の仕事例を紹介 (自動化導入)

クライアントの業務を分かりやすく業務の流れ(業務プロセス)にまとめ、自動化できる業務を洗い出します。

2.RPA(自動化)の仕事例を紹介 (自動化支援)

前行程の設計をもとに、RPA(自動化)のシナリオを作成する仕事です。シナリオの出来次第で、自動化が効率よく動作するか決まります。各RPAツールの特徴を理解しながら、シナリオを作成するスキルが必要とされます。

3.RPA(自動化)の仕事例を紹介 (自動化運用・保守)

実業務に合わせて、RPAシナリオを動かします。その時に発生したエラーや不具合を修正し、ロボットの修正対応やクライアントへの運用方法の指示を行うのが仕事です。

またクライアントに提出するマニュアル作成も自動化運用・保守の仕事にあたります。
クライアントがRPAツールを動かすときに、マニュアルを見て動かせる状態にする必要があります。そのため誰が見ても分かりやすい説明や図が必要です。

RPA(自動化)エンジニアの将来性は?

RPAエンジニアは現在圧倒的に人材が足りていません。しかしRPA(自動化)の勢いが続くと、RPAエンジニアが必要とされる場所とスキルは変化していくでしょう。日々情報収集を行い、スキルを身につけ柔軟に対応する力が必要です。

1.今後RPA(自動化)エンジニアが必要とされる場所

現在は定型業務が多い、バックオフィスで必要とされることが多いです。今後はAIやOCRいう技術とRPA(自動化)を両方使えるエンジニアが必要とされていきます。RPA×OCRを用いると、文字を判別できるので、アンケートの読み取り、文字に置き換えてデータ化できます。RPA×OCRを組み合わせたシナリオ作成能力が求められます。

2.AIやOCRを組み合わせて進化する必要がある

RPA(自動化)にAIを組み合わせると否定形業務の一部自動化が可能になります。具体的に言うと、RPA(自動化)によって自動化した業務のチェックや意思決定は人が担当していました。その判断をAIが人間の代わりに行うのです。今後RPA×AIがさらに浸透するでしょう。RPA(自動化)だけでなくAIの設定が行えるエンジニアが必要になってきます。

RPA(自動化)エンジニアになるために必要なスキルと向いている人はどんな人?

RPA(自動化)エンジニアになるために必要なスキルはどんなものがあるのか、筆者が必要なスキルを3つまとめました。

1.RPAエンジニアになるために必要なスキル

最新技術への情報収集

ここ1、2年でRPA(自動化)に関わるサービスやツールが新たに登場しました。各サービスやツールの特性を知り業務に活かせるか常に最新技術への情報のアンテナを張っておく必要があります。

自動化対象業務への理解

経理作業の自動化なら、経理の知識が必要です。テスト作業の自動化なら、テストが正しく行われたか確認するフローやテスト内容の理解も必要となります。

自動化業務はただ自動化支援するのではなく、自動化対象業務に合わせたシナリオ作成や運用を検討しなければいけません。そのため背景となる対象業務の知識が必要です。

フローチャート作成スキル

洗い出した業務内容をフローチャートという図を用いて、自動化シナリオの流れを分かりやすくまとめる力のことです。フローチャートを作成すると、流れが分かりやすくなり、修正も不具合対応のときにも役に立ちます。

2.RPA(自動化)エンジニアに向いている人の特徴

俯瞰して物事を見られる人

エンジニアが開発を行う時どうしてもエンジニア寄りの考え方をして、システムを作ることがあります。しかしRPA(自動化)はクライアントの業務を自動化して、生産性を高めることが目的です。どうしたら生産性が上がりクライアントの負荷を減らすことができるのか、俯瞰して物事を見られる人が求められます。

粘り強く仕事に向き合える人

自動化シナリオは出来上がって実行しても、正常な動作をしない事や予想外の動作をすることがあります。そのため動作を分析しシナリオ修正を行う必要があり、不具合が出た時に粘り強く問題を追及できる人が求められます。

周囲との協調性や交渉能力

自動化シナリオを作成する上で、クライアントからのヒアリング力やRPA選定部門に交渉する力が必要です。

まとめ 将来必要とされるRPA(自動化)エンジニアとは

2017年から流行になっているRPA。市場規模で言うと2016年のRPA市場規模は8億円でしたが、2021年には80億円に達するのでは言われています。RPA市場の拡大の背景として、金融業界がRPAに注目し導入を進めていることやOCR・AI技術の発達も関連しています。

民間企業でもこれだけ注目されているRPAですが、2020年2月に内閣府でもRPAを導入が始まりました。今後ますますRPAの需要は増していくと予想されます。

個人的な見解ですが、今後RPAが当たり前の技術として世の中に浸透するかもしれません。そのときに重要なのが、RPAがただ使えるのではなく、どう使うのかという考え方が重要になってきます。

RPAに関する知見をまとめ、普段からアウトプットを行い将来に備えましょう。

参考 RPAの市場規模|国内で急成長を遂げている実態と背景を調査

参考 オートメーション・エニウェア、内閣府にてRPAツールの本格稼働を開始

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