公開日

官公庁・公共向けシステムに関わるエンジニアとは?メリットや求められるスキルも

様々なシステム開発を行うシステムエンジニアは、どんなシステムを開発するのか、その開発領域やどんな企業に所属するかで、その実態も様々です。

中には、官公庁や公共団体・自治体向けといったような公共システム開発を担っているエンジニアもいるでしょう。

今回は、そんな官公庁や公共向けのシステムに関わるエンジニアの仕事について、そのメリットや求められるスキル、またどんな企業に所属することで公共向けシステムの開発に携わることができるかなども合わせてご紹介していきたいと思います。

官公庁・公共向けシステムとは?

現在、あらゆる業界でDX化が進み、業務の上でもサービスを展開する上でも様々なITシステムが利用されています。

政府でもデジタル庁の新設をはじめ企業・自治体にDXを推進する動きを進めており、公共のサービスなどでもITシステムは欠かせないものとなっているでしょう。

そのため、例えば官公庁内部で用いられる業務システムや国の制度に関わるシステム、また公共サービスなどで用いられるシステムなど、官公庁・公共向けにもあらゆるシステムが用いられており、システムエンジニアの存在は重要になっています。

官公庁・公共向けシステムの重要性

官公庁・公共向けシステムは、行政手続きや福祉など公共サービスの提供に活用されます。

これらは社会基盤としてなくてはならないものであり、デジタル技術を活用して効率化されることで、行政の負担を軽減することができるというメリットがあります。

負担が軽減されれば、サービスをより迅速に提供できたり、品質を向上するということにもつながりますね。

また、デジタル化には、透明性を向上させるというメリットもあります。

情報提供をスムーズに行うことができ、信頼性を高めるという意味でも重要になるでしょう。

公共システムの種類

公共システムには、

  • 国や政府などが利用する官庁系システム
  • 自治体が主体となる福祉などに関わる自治体系システム

の2種類があります。

官庁系システムでは、新たなシステムの設計・開発はもちろんですが、制度や法律などに変更があった場合の修正もエンジニアが行います

官庁系システムは国の制度に関わるもののため、自治体系システムと比較すると数自体はそれほど多くないでしょう。

自治体系システムは、福祉や子育て、道路や公共施設などに関わる、都道府県や市町村などの自治体が主体となるシステム全般です。

こちらも官庁系システムほどではありませんが、法律や各地域の条例などに沿ってシステム設計を行う必要があります。

官公庁・公共向けシステムに関わるエンジニアになるメリット

官公庁・公共向けシステム開発に関わるエンジニアになることで、次のようなメリットが期待できるでしょう。

  • やりがいが大きい
  • 安定性・将来性が期待できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

やりがいが大きい

まず、福祉などの公共サービスや官公庁のシステムなど、人々の生活に密接に関係するシステムに関わる仕事のため、責任も大きいがやりがいを感じやすいということです。

関わるシステムによっては、日常の中で自身が携わったシステムが使用されていたり、暮らしに役立っている様子を実際に目にすることができるケースもあり、自分の仕事やスキルが社会の役に立っているという実感を得やすいでしょう。

安定性・将来性が期待できる

開発するシステムや案件にもよりますが、官公庁向けや公共向けのシステムは一般企業に向けたシステム開発と比較すると、大型の長期な案件が多く、スケジュールなどにも余裕を持ちやすい傾向にあるとされています。

また、信頼性が重要な公共システムの依頼をされる企業は、セキュリティ面から人の入れ替わりが激しいような状況は好ましくありません。

そのため大規模で長く務める人が多いケースもあり、そういったところへの所属は福利厚生が手厚かったり、安定性が高いことも期待できるでしょう。

また、政府がDX化を推進している理由のひとつでもある要因として、日本の官公庁・公共機関は海外と比較するとITインフラの活用という点で遅れを取っていると言われていることがあります。

そのため、今後もさらに公共システムの開発案件は増加が期待でき、エンジニアの需要の高まりも見込まれるでしょう。

官公庁向けシステムの開発を担う官公庁系SIerとは

それでは、こういった官公庁向けのシステムは、どのような企業で開発を行っているのでしょうか。

企業などから依頼を受け、システムの開発・導入などを行う企業を指すSIerの中には、官公庁で使用するシステムの開発を主として担う「官公庁系SIer」があります。

官公庁の職員が業務に利用するシステムや、国民が利用する官公庁のシステムなどの開発を担うSIerで、ここに所属すれば、官公庁向けシステム開発に携わることができるでしょう。

官公庁向けSIerでは、通常のシステム開発と同じように官公庁向けシステムの要件定義から設計・開発、テストまで一連の業務を行います。

担当の範囲によって細かな作業内容は異なりますが、開発するシステムの規模が大きいことや、官公庁向けという性質から、ひとつひとつの作業工程に時間を要することや、資料や報告書の作成業務が多くあることなどが特徴として考えられますね。

官公庁系SIerについて詳しい実態を知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。

(内部リンク:https://www.engineer-route.com/column/4284/#SIer-6

官公庁・公共向けシステム開発に求められるスキル

官公庁・公共向けシステムの開発では、もちろんシステム開発に必要なプログラミングなどの高度な開発スキルは欠かせませんが、それよりも重視されるのが業界の業務知識です。

国の制度や法、条例などに合わせて開発を行うため、こういった制度などの知識があること、また既存のシステムへの理解があることで、新規開発の際はもちろん、法改正などでシステムを改修する案件が発生した場合などにも、よりスムースにきめ細やかな業務を行えるでしょう。

また、官公庁・公共向けシステムで非常に重要になるのが、安全性です。

国民の個人情報など、非常に機密性の高い内容を取り扱うため、暗号化やアクセスの制限、監視の体制整備など、外部の攻撃や情報漏洩からシステムを守れるようなセキュリティ対策が重視されるでしょう。

スキルのひとつとして、高いセキュリティ知識があるとより重宝されるかもしれません。

さらに、万が一何らかの不具合や障害が発生した際に備え、迅速に復旧が可能な体制も整えておきたいですね。

まとめ

今回の記事では、官公庁や公共向けシステムに携わるエンジニアについて、システムの重要性とともに、そういったシステムに携わるメリットや官公庁系SIerの存在、また求められるスキルまで詳しくご紹介しました。

公共システムの開発は大規模で責任も伴うものですが、大きなやりがいもあります。

今後もデジタル技術を利用した公共システムの開発案件は多く発生することも考えられ、将来性も期待できるでしょう。

興味のある方は、官公庁系SIerなど、官公庁・公共向けシステムに関わる企業への転職を目指してみるのも良いのではないでしょうか。