フリーランスエンジニアが経費にできるもの・できないものは?内訳や注意点を解説

フリーランスのエンジニアとして活動し始めて、悩むのが確定申告ですよね。
そこで大事になるのが、経費の問題です。
どこまでが経費に計上できる項目なのか、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな人に向けて、フリーランスエンジニアが経費にできるもの・できないものや経費計上の注意点について詳しくご紹介していきます。
目次
経費とは?

そもそも経費とは、事業活動を行うために必要となる費用のことです。
例えばフリーランスエンジニアであれば、業務に使用するパソコンや、自宅でパソコンを使って作業をする際の光熱費は、仕事に必要なものになりますよね。
こういった仕事を行う上で欠かせない支出のことを「経費」と呼びます。
確定申告を行う際は、収入から各種控除とともにこれらの経費を差し引いた所得に対して税金がかかってくるため、経費を適切に計上することで、所得額を減らし、本来の税負担を算出することができます。
経費を漏れなく計上することが、節税につながるということですね。
フリーランスエンジニアの経費率の目安
経費を計上する上で、知っておかなければならないのが経費率です。
もちろん、経費が多ければ多いほど所得税額が節約できることになりますが、だからといって収入に対してあまりにも経費が多ければ税務調査で怪しまれてしまうこともあります。
そこで、収入に対する経費の割合、経費率がどのくらいになっているかを目安として考えなければなりません。
この経費率は、次の式で算出できます。
| 経費率 = 経費 ÷ 収入 |
経費率の目安は業種によっても異なり、フリーランスのエンジニアの場合では一般的に50%が目安になると言われています。
この数字は売上の規模などによっても変わってきますが、大体50%と考えておくと良いですね。
正しく経費を計上し、この目安をあまりにも上回ることのないよう注意しましょう。
フリーランスエンジニアが経費にできる主な項目11つ
ではここからは、実際にフリーランスエンジニアが経費として計上できる項目について見ていきましょう。
フリーランスエンジニアが経費にできるのは、次の11の項目です。
- 地代家賃・水道光熱費
- 消耗品費
- 事務用品費
- 通信費
- 外注費
- 新聞図書費
- 旅費交通費
- 接待交際費
- 広告宣伝費
- 租税公課
- 諸会費
それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)地代家賃・水道光熱費
自身で事務所として借りている場所がある場合は、その家賃や駐車場代などを経費として落とすことができます。
そこでかかった水道光熱費なども同様ですね。
レンタルオフィスなどを借りてそこで仕事をしている場合のレンタルオフィスの月額費用も、同様に経費にできますね。
あくまで事務所利用分のみで、常駐フリーランスエンジニアの場合や自身で契約している物件ではない場合は経費にはできません。
自宅を事務所にしている場合は、家賃に関しても水道光熱費に関しても、面積と使用時間などから仕事に使用した分だけを算出して一部を計上することができます。
(2)消耗品費
使用期間が1年未満、または価格が10万円以下のものは消耗品として計上できます。
文房具や名刺、帳票といったものから、10万円以下であればデスクや椅子、パソコンといったものまでこの項目で計上可能です。
日常的に必要なものはこちらになるので、クリーニング代などの雑費と混同しないように注意しましょう。
(3)事務用品費
消耗品と同様に使用期間1年未満、価格10万円以下の文房具に関しては事務用品費として計上することもできます。
消耗品として計上しても問題ありませんが、使用頻度や購入頻度の高い文房具は消耗品と分けてこちらで計上した方が管理の面では良いですね。
毎回異なる項目で計上するのは避けて、どちらかと決めたら統一するようにしましょう。
(4)通信費
インターネット代や電話代、また宅配便の配送料、郵送費も通信費として計上できます。
インターネットを利用するためのプロバイダ料金や設置工事にかかった費用も同様に通信費として問題ありません。
ただ、電話やインターネットなど、プライベートでも使用するという場合は家賃同様割合を算出する必要があります。
(5)外注費
受注した業務の一部を他の協力会社やフリーランスに外注した場合、その報酬は外注費として経費にできます。
フリーランスエンジニアでは、専門でないデザインなどを他者に依頼することも多くあるでしょう。
注意しなければならないのは、依頼する業務によっては源泉徴収を行わなければならない点です。
例えば、上にも挙げたデザインや原稿の執筆といった業務の場合ですね。
外注の際には、事前に源泉徴収の対象になるか調べておくと良いでしょう。
(6)新聞図書費
事業に必要な新聞や書籍、雑誌などは新聞図書費として計上可能です。
例えば、フリーランスエンジニアであればスキルアップに必要なITの専門書や技術書などですね。
手元に残る書籍だけでなく、電子書籍やメルマガ、情報サイトの料金なども対象となります。
(7)旅費交通費

業務のための移動にかかった交通費や宿泊費は、旅費交通費として形状することになります。
電車やバス、タクシーといった公共の乗り物から、自家用車のガソリン代などですね。
どこからどこまでを何を利用して移動したのか、しっかりと記録しておくことをおすすめします。
領収書の出ない電車などの場合は、自身で出金伝票を作成しておくようにしましょう。
(8)接待交際費
クライアントとの打ち合わせでかかった飲食代や、仕事の付き合いで発生した飲み会などの費用は、接待交際費として経費計上することが可能です。
税務署にとってもプライベートと仕事の見極めが難しい項目で、不正が行われやすいため調査の際に注視される項目でもあります。
日付と時間などを領収書やレシートとともにしっかり記録しておきましょう。
(9)広告宣伝費
自身の広告・宣伝となるようなものは広告宣伝費として経費の対象となります。
例えば、フリーランスエンジニアでは以下のようなものですね。
| 名刺 |
| 年賀状 |
| ポートフォリオの作成費 |
広告宣伝費は上限となる金額がないため、自身や自身のスキルの宣伝効果が期待できるものは全額計上することができます。
(10)租税公課
所得税や法人税と住民税以外の税金は、租税公課として経費の対象になります。
オフィスの固定資産税や仕事で使用する車の自動車税、また契約書などの公的書類の発行にかかった手数料などが租税公課にあたります。
所有者が事業車本人でなければ認められない場合が多いので注意しましょう。
(11)諸会費
勉強会やセミナーの会費、オンラインサロンやフリーランス協会の会費、また有料のオンラインツールを利用するための登録費など、仕事に関係する会費は諸会費として計上できます。
フリーランスエンジニアでは、特にオンラインツールの利用なども多いのではないでしょうか。
支払いを証明する書類のコピーはしっかりと保管しておきましょう。
フリーランスエンジニアが経費にできないものは?
フリーランスエンジニアが経費にできないのは、簡単に言えば、事業と関係しないプライベートな費用です。
趣味や娯楽に使用した費用はもちろん、
- 所得税・住民税などの税金
- スーツやビジネスバッグ(業務以外でも使用できるもの・条件によっては計上OK)
- 健康診断費・医療費
なども経費として計上することはできません。
また、国民健康保険料や生命保険料といった保険料も経費としては計上できませんが、確定申告の際には所得から控除することが可能です。
フリーランスエンジニアが経費計上するときの注意点
フリーランスエンジニアの経費計上では、注意しておくべきポイントがあります。
注意点として挙げられるのは、以下の3点です。
- 領収書・レシートは保管し、帳簿をこまめにつける
- 常駐型と在宅との場合で経費の基準が多少異なる
- 不適切な経費計上はペナルティが課されることもある
それぞれ詳しくご紹介します。
領収書・レシートは保管し、帳簿をこまめにつける
まず、領収書やレシートはしっかりと保管しておくということです。
経費計上の際には、実際に支払金額を証明する領収書・レシートが必要になります。
青色申告の場合には原則として7年間の保管期間が定められているため、捨てずにしっかりと保管しておきましょう。
また、合わせて帳簿書類の記帳・保管も義務付けられています。
取引の年月日や金額、取引の内容や項目なども、あとで見た時にもすぐに分かるよう、詳しく記載しておきましょう。
帳簿は時間が経つと内容を忘れてしまうことも多いため、なるべく早く、こまめに記録に残すことも重要です。
常駐型と在宅との場合で経費の基準が多少異なる
フリーランスエンジニアの中には、クライアント先に常駐する案件を受注している方も多くいるでしょう。
そうなった場合、例えば在宅での作業の無いフリーランスエンジニアの場合は光熱費などを経費として計上できないなど、経費の基準も多少異なってきます。
また、出社にかかる交通費の按分も、出社日数によって変わってくるでしょう。
基本的には、「業務に使用した割合だけ経費になる」と考えて経費計上を行うと良いですね。
不適切な経費計上はペナルティが課されることもある
確定申告で不適切な点があれば、税務調査の対象となる可能性があります。
経費計上を不適切に行っており、本来よりも所得を少ない金額で申告したなどの場合には、過少申告加算税や重加算税といったペナルティが科されることになるでしょう。
偽装・隠ぺい行為とみなされ重加算税が加算された場合、35%もの税金が加算されることもありますので、経費は適切に計上し、必ず正確な税金を申告するようにしましょう。
悩んだら専門家に相談しよう
経費計上や確定申告で悩んだ場合には、1人で解決しようとせず、専門家に相談することがおすすめです。
自身で判断し、申告に誤りがあれば、税務署に指摘を受けてしまう可能性もあるでしょう。
確定申告の時期には税務署等で相談コーナーが設けられている場合もありますし、今後もフリーランスとして確定申告を続ける場合、税理士に相談したり、確定申告を依頼するという手もあります。
もちろんお金はかかりますが。確定申告にかかる事務の手間を依頼によって削減し、本業に集中するというのも良いでしょう。
ただし、税理士に依頼するからといって知識を身に付けなくてよいというわけではありません。
取引の実態を知っているのは自身だけですので、自身でも経費の範囲などについて知識をしっかりつけておくことが重要になります。
フリーランスエンジニアの経費に関するよくある質問

最後によくある質問として、フリーランスエンジニアの経費計上に関する疑問にいくつかお答えしていきます。
独立にかかった費用は経費にできますか?
独立(開業)にかかった費用は、「開業費」として開業後の確定申告で計上することができます。
開業費の計上は、
- 開業した年に一括で経費計上する
- 「繰延資産」として決算書に計上し、償却していく
といった2つの方法があります。
開業後の売上や、その他の経費の状況に応じて選択しましょう。
領収書やレシートを紛失してしまっている場合でも経費にできますか?
領収書やレシートを紛失した場合や、領収書・レシートをもらっていない場合には、出金伝票を作成して経費計上に対応できる場合があります。
ただ、あまりにも出金伝票での計上が多い場合、特に領収書・レシートがもらえるであろう場面での出金伝票が多い場合には、税務調査で質問されることもあるでしょう。
出金伝票は多用しないよう、領収書・レシートはしっかりと管理・保管しましょう。
経費計上に上限はありますか?
フリーランスエンジニアの経費計上では、事業を行う上で必要な経費であることを証明できれば、金額での上限などはありません。
しかし、あまりに経費が多ければ、税務調査の対象となる可能性もあるでしょう。
算出してみてあまりに経費が多い、経費率が高いという場合には、プライベートのものが混ざってしまっていないか、按分は適切か、見直してみましょう。
家賃などの按分については、その妥当性を説明できるような資料を作成しておくとより良いですね。
まとめ
今回の記事では、確定申告の際の経費計上に悩むフリーランスエンジニアに向けて、経費として計上できる項目と注意点について詳しくご紹介しました。
経費率やレシートの保管など、注意しなければならない点は多くありますが、経費をしっかりと計上することで節税につながります。
確定申告の際はぜひこちらの記事を参考にしてみてくださいね。










