音楽業界でのエンジニアの仕事とは?音楽業界でのシステムエンジニアの役割も解説

音楽制作や販売などに関わる音楽業界では、それぞれに役割を持つ様々な職種の人が活躍しています。
エンジニア職に興味がある、またすでにエンジニアとして働いているという人の中にも、そのスキルを好きな音楽に携わることができる環境で活かしたいという思いをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、音楽業界において「エンジニア」と呼ばれている様々な職種とその仕事についてや、音楽業界におけるシステムエンジニアの役割についてご紹介していきます。
目次
音楽業界とは?
音楽業界とはその名の通り、音楽の制作や流通、販売など、音楽に関わる産業を行う業界です。
レコード会社やアーティストが所属する音楽プロダクション、歌詞や楽曲の著作権を管理する音楽出版社、音楽配信サービスなど、音楽の流通販売を支える様々な企業・団体が含まれます。
ネットや実店舗でCD販売を行うショップやレコード会社とショップをつなぐ卸売業者など、直接的に販売に携わる業種も、それぞれ小売業・卸売業に分類されますが、音楽業界に関わる業種のひとつですね。
音楽業界で「エンジニア」と呼ばれる職種は?
音楽業界には、レコード会社など楽曲制作の場面やライブ・スタジオなど、あらゆるシーンで活躍する様々な技術職(エンジニア職)が存在します。
音楽業界を支える「〇〇エンジニア」と呼ばれる代表的な職種には、以下のようなものがあります。
- サウンドエンジニア
- PAエンジニア
- 照明エンジニア
- ビデオエンジニア
それぞれ詳しく見ていきましょう。
サウンドエンジニア
サウンドエンジニアは、レコーディング作業でのバランス調整やその後の編集、ミックス・マスタリングなどを行う技術者です。
レコーディングエンジニアと呼ばれることもありますね。
レコーディング時にボーカルや楽器などの各パートをそれぞれに適した音質・音量で録音し、その後のミキシングや音圧などの最終調整を行うマスタリングを経て、最終的に楽曲を仕上げるまでの一連の業務を担当します。
レコード会社やレコーディングスタジオに所属して社員として働く方が多いですが、中には実績を積みフリーランスのサウンドエンジニアとして活躍する方もいるでしょう。
PAエンジニア
PAとは「Public Address(公衆伝達)」の略であり、PAエンジニアは主にライブやコンサートにおいて音響に携わる技術者です。
ライブでの音響機器の操作や音環境の整備を専門的に行うエンジニアで、会場に流れる音に関してはもちろん、アーティストが自身の歌声や演奏を聞くためのモニターシステムの音調整なども担っており、ライブの成功に欠かせない存在です。
ライブハウスやホールなどの各コンサート会場や音響会社への就職はもちろん、イベント会社やテーマパークなど、様々な業界で活躍が期待できる職種でしょう。
照明エンジニア
照明エンジニアは、ライブやイベントにおいて照明による演出を担当する職種です。
照明の位置・効果など全体の照明要素をディレクター・プロデューサーとともに計画し、会場・アーティストに合わせて照明機器を設置・制御することでライブを盛り上げる役割を担っています。
こちらもPAエンジニアと同様、音楽業界はもちろんテレビや映画、舞台、イベントなど、エンターテイメント全般のあらゆるシーンで求められる職種になりますね。
ビデオエンジニア
様々な映像機器の設置や操作・保守を担うビデオエンジニア(映像エンジニア)は、音楽業界においてはMV・PVの撮影編集やライブ・コンサートの録画・録音などを担当しています。
CM映像の制作にも携わっており、近年では特にWebCMなどWebコンテンツ用のムービー制作も高い需要があり、活躍の場が広がっているでしょう。
音楽業界でのシステムエンジニアの役割とは
ご紹介したように音楽業界では様々な技術職・エンジニアと呼ばれる職種の方が働いていますが、プログラミングによりシステム開発を行うシステムエンジニアも、音楽業界では活躍しています。
特に近年では、楽曲の流通販売の形態としてサブスクリプションサービスなどの配信サービスでのリリースが主流な手段のひとつとなっています。
その配信のためにも楽曲管理システムなど様々なシステムが用いられており、システムエンジニアの需要は音楽業界においても高くあるでしょう。
音楽業界のシステムエンジニアに求められるスキル
音楽業界のシステムエンジニアでは、業界関係なく基本として必要な
- プログラミングスキル
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- 問題解決能力
などはもちろんですが、例えば配信サービスへの理解などの業界知識、楽曲などを管理する際に重要なデータ知識など、その他にも様々な知識が求められます。
また、特に音楽業界でシステムエンジニアとしてより活躍したい、高収入を目指したいという方は、要件定義や設計などの上流工程の経験や、プロジェクトのマネジメントスキルなどを身に着けると良いでしょう。
上流工程やプロジェクトマネージャーなどの役割は経験・スキルが豊富なエンジニアが担うことが多く、その分収入アップも期待することができます。
音楽業界のDXとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術を活用することにより業界・企業での課題の解決や新たな価値の創造を目指す取り組みのことを指します。
様々な業界で進められるDXは、音楽業界でも注目されています。
これまでCDやDVDなどのパッケージ商品を主流としていた音楽業界では、配信サービスの普及によりさらに広範囲にコンテンツを流通できるようになりました。
また、例えば音楽スタジオ・教室などでのオンライン予約システムの普及、電子チケットの普及などにより業務効率化も叶っており、人件費などのコストの削減にもつながっているでしょう。
さらに、その波はライブシーンにも広がっており、新型コロナウイルス流行時にライブ開催が難しくなったことから注目されたオンラインライブも、距離・場所の制限無く世界中の人が気軽に参加できる新たなライブ体験として普及することになりました。
音楽業界のDXにはシステム導入にコストがかかることや楽曲データ・顧客データなどのセキュリティ面の不安といった課題ももちろんありますが、業務効率を向上させ、より多くの人に音楽を広げるために今後もより推進されることが考えられるでしょう。
まとめ
今回の記事では、音楽業界でエンジニアと呼ばれる様々な職種について、また音楽業界でも活躍できるITエンジニアの存在と求められるスキルについて詳しくご紹介しました。
IT技術を活用して業務効率化や業務の革新を目指すDXは音楽業界でも広がっており、今や一般的な音楽の流通方法となった配信サービスを筆頭に、様々な技術が用いられています。
今後もさらに音楽の作成・流通の面で先端技術の活用が期待でき、エンジニア職の需要も期待できるでしょう。
音楽業界に貢献することに興味があるというエンジニアの方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。