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“モノ×インターネット”最近話題のIoTとは

インターネットの形態はさらに進化を遂げてきており、最近では「IoT」という言葉がよく使われるようになってきました。IoTという用語を知らなくても、私たちの生活においてすでにIoTは組み込まれており、無意識のうちにそれを活用している方は少なくありません。今回は、そのIoTについてどのようなものかを見ていきましょう。

IoTとは

Internet of Things(モノのインターネット)の略称で、身のまわりにある様々なモノがインターネットに接続される概念を指します。
インターネットといえば、パソコンやスマートフォンなどの端末を使って利用する方が主流であるかと思いますが、IoTはそれら以外のモノをインターネットに接続する考え方です。

家庭にあるテレビやエアコン、冷蔵庫、洗濯機などの大きな家電製品やカメラ、体温計などの小さな製品などもインターネットに接続して生活を便利にしてくれるのです。それでは次に具体的な活用方法についてご説明します。

事例その1 冷蔵庫

冷蔵庫をインターネットにつなげることを考えたときの話です。冷蔵3庫に温度センサーを取り付けることで、冷蔵庫の状態を把握することができるため、遠隔にいても監視することができます。

実際の店舗などで業務用の冷蔵庫に導入されている事例として、日立情報通信エンジニアリングの「冷蔵庫温度管理サービス」があります。こちらのシステムには、冷蔵庫に温度異常が発生した場合にシステム側でそれを検知し、責任者や経営者などにメールで警告を知らせてくれるものです。スマートフォンでも状態を把握できるため、冷蔵庫の温度管理が遠隔で行うことができるのです。

事例その2 洗濯機

同じく家電製品の洗濯機ですが、こちらをインターネットにつなげるとどんなことが可能なのでしょうか。例えば、コインランドリーの稼働状況などをデータ化し、空き状況や洗濯完了などが遠隔から把握できるというものがあります。

既に一部のコインランドリーでは導入されている事例ですが、日本マイクロソフト社と家電メーカーのアクアが共同開発を行ったIoTのサービスとして「AQUA Cloud IoT ランドリーシステム」があります。これはクラウド上にデータを蓄積させ、洗濯機の稼働状況や故障予測など分析することができる機能もあります。

今後もより便利となるために、さらなる機能拡充が視野に入れているようです。

事例その3 植物

上記2つは機械であったため、インターネットにつなげるイメージは比較的しやすいかと思います。今回の事例では、機械ではなく植物です。IoTでは機械以外にもインターネットに接続できるのです。

実際には、植木鉢に専用のデバイス(土壌センサー)を差し込み、土壌温度や当たっている日光の強さなどの情報を取得します。それをスマートフォンで専用アプリにて植物の状態を把握することができるというものです。これによって、自分が大事に育てている植物が枯れないかどうかを外出先でもチェックすることができるというものがあるのです。

IoTに適したプログラミング言語は

IoTを機器やデバイスに導入する際に、実際にどういう言語を用いて開発が行われているのでしょうか。ハードウェアの制御(組み込みシステム)に関する言語でよく用いられている言語として、C言語があります。

現段階ではあまり高度な処理能力を必要とされていないため、このC言語が最適といわれていますが、今後技術がより高度なものになって処理が複雑化する場合は、C言語を拡張したC++言語での開発が主流になると考えられています。
一方で、多くのプラットフォームに対応できるJava言語も、C++より動作が軽いためIoTデバイスの開発に好んで用いるプログラマもいるようです。

IoTの接続方法(モデル)

IoTでシステムを利用することを考えた場合、クラウドとデバイスを接続することを考えます。システムによって利用形態も変わり、それに合わせた接続方法(モデル)があります。

集中型モデル

現在のクラウドサービスと同様の形態で、クラウド上で集中処理が行われます。セキュリティの向上に適していますが、高速処理には不向きという特徴があります。

階層モデル

システムをグループ単位で利用することを想定した形態です。グループごとに管理が可能で、処理の負荷を分散させることができ、高速処理にもやや適しています。
ただし、構築には専門的なスキルを必要とするため、やや敷居が高いのが難点といえそうです。

並列モデル

P2Pモデルともいわれ、クラウドと各種デバイスが並列に接続される形態です。リアルタイムでの処理が可能で、接続するデバイスが増えれば増えるほど処理が高速となります。

しかし、ウィルスに感染したデバイスが接続されていた場合に、そのリスクが高まることから、セキュリティ面に問題があるのが欠点です。

おわりに

今回は、IoTについての説明とそれを取り入れたシステムの事例についていくつか紹介しました。これまでにあった身近なものがインターネット接続という付加価値がつくことで、私たちの生活が以前までは想像もつかないほど便利になることが期待できます。

その反面、使い方を誤ることによりセキュリティの観点でトラブルになりかねないものもあるかと思います。実際に、IoTを導入したシステムに対してハッキングが行われ、データが盗まれるという事例も報告されているようです。
こうしたリスクがあることを注視して、IoTの導入を検討していかなければなりません。